研究実績の概要 |
ERK2を中枢神経、末梢神経においてそれぞれノックアウトさせたマウスでの起痒物質に対するアロネーシスを検討した。その結果中枢神経ERK2を欠損させるとヒスタミン投与後のアロネーシスが減少した。末梢神経ERK2の欠損はアロネーシスに影響を与えなかった。BAM8-22投与後のアロネーシスについても同様の結果をえた。 結節性痒疹、多形慢性痒疹病変部におけるβエンドルフィン、オートタキシンの発現を検討した。その結果、βエンドルフィンは多形慢性痒疹病変部表皮で、またオートタキシンは両者の表皮で高い発現が観察された。次に培養正常ヒト表皮細胞のβエンドルフィン、オートタキシンを検討した。βエンドルフィンはTNFα、IL31, IFNγ刺激で発現が増強した。またオートタキシンはTNFαとIL31刺激のみで発現が増強した。これらから表皮由来のβエンドルフィンやlysophosphatidic acidも痒疹の痒みに関与している可能性が考えられた。
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