本研究の目的は、産業および一般集団サンプルを対象に、1)多数の遺伝子座位を組み合わせた遺伝リスクスコアによるうつ状態の予測因子の探索、2)職場環境ストレスによる遺伝子とうつ状態の関連を調べることである。 九州地区の企業に勤務する従業員約400名と北陸地区の企業より約300名の総計約700名のサンプルを対象に、Illumina 300Kチップを用いて、全ゲノム関連解析を実施した。2つの集団間での遺伝リスクスコアは有意な結果が得られなかったが、職場環境ストレスと遺伝子の相互作用を全ゲノムにわたって解析した結果、うつ病の予測因子となりうる候補遺伝子が見出された。
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