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2016 年度 実施状況報告書

統合失調症と双極性障害の間に何があるのか?全ゲノムシーケンスによる遺伝的解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K10196
研究機関大阪医科大学

研究代表者

金沢 徹文  大阪医科大学, 医学部, 講師 (20534100)

研究分担者 橋口 康之  大阪医科大学, 医学部, 講師 (70436517)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード全ゲノム解析 / 次世代シーケンサー / 非定型精神病 / 多発家系
研究実績の概要

既に3家系7検体の末梢血より得たDNAについてタカラバイオ社を通じた外注工程により全ゲノムデータを取得している。HiSeq2500を用いたデータは一次解析(マッピングデータ作成)、二次解析(Assemble and Mapping)、三次解析(変異同定)を経てVCFファイルに変換された。得られた7人分のゲノム多型である約700万箇所より、人類集団にまれな変異(<約1%)を参照パネル(1000 genome, ExAC, ToMMoなどを使用)から同定した。条件は7検体全てに、あるいは3検体を有する1家系で共有しているホモ接合体とし、エクソン、イントロン、UTRといった遺伝子上に存在する変異とした。患者7人で共有される変異は64万以上で、まれな変異は82箇所、遺伝子上の変異は43箇所存在した。そのうちアミノ酸置換を起こす(非同義置換)多型はただ1つで、これが存在する遺伝子は精神疾患の発症に関与する極めて興味深い遺伝子であった。同時に、3検体を有する1家系で共通する多型解析も進めたところ、共有される全変異5,167のうち、まれな変異は20、遺伝子上の変異は11箇所を同定し得たが、非同義置換となる多型は見つけられなかった。しかし、11箇所の変異はPBX1(1q23.3)やDCC(18q21.2)、IL7R(5p13.2)など機能的に興味深い遺伝子上に存在した。
現在は論文作成とともにさらなる解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画は3カ年に分かれており、初年度である平成28年はサンプルの解析に充てることができた。レファレンスゲノムデータの最新化にともない再解析を行っているが計画に大きな遅れはない。

今後の研究の推進方策

平成29年度は解析データの同定を図ると同時に、他の精神疾患(統合失調症、双極性障害)との日本人におけるゲノム上の関連性を調査する。

次年度使用額が生じた理由

全ゲノムデータの取得に必要な額が想定より安価で行えたため。

次年度使用額の使用計画

今後はHLA領域についてディープシーケンス解析を行うため、その費用に充て、更なるデータの充実に務める。また次年度に持ち越した金額の一部はデータ解析のために必要なハードディスクやソフトなどの費用に使用する。

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公開日: 2018-01-16  

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