研究課題
(1)パーキンソン病とナルコレプシーについては、GFAPは高値であり、オレキシン値と逆相関を認めることは既に明らかにしている。H.28年度には、ギランバレー症候群や多発性硬化症にて、GFAP値を検討したが、オレキシン値との比較を含めて特に有意な所見は見いだせなかった。今後は対象疾患を増やして検討して行く予定である。症候性のナルコレプシーを来すAQP4抗体陽性の視神経脊髄炎に加えて、3例の抗myelin- oligodendrocyte glycoprotein抗体(MOG抗体)陽性の症例を見いだしたので、両者の病態の比較検討も進めて行く。(2) これまでに経験した抗NMDA受容体抗体陽性例は23例となり、これを大きく3群に分割して比較検討を行った。典型的な辺縁系脳炎 の経過をたどる群(脳炎群)、精神疾患と診断され加療が行われていた群(精神疾患群)、精神症状を伴う睡眠障害群(睡眠障害群) とした。第2グループは、精神科疾患の診断よりさらに、i統合失調症あるいは統合失調感情障害と診断された群、iiうつ病あるいは 神経症と診断された群に分類した。また、第3グループも、ベースにある睡眠障害よりiナルコレプシーと診断された群、ii Klein-Le vin症候群と診断された群に分けた。精神症状が主体となる群に関しては、1 m-ECT(電気けいれん療法)が奏功し、他の治療法では 症状の軽快を得られなかった例、2 各種薬剤抵抗性で難治例と判断された例、3 精神科にて、悪性緊張病と診断・加療を行われた例 、4 非典型的な経過をたどり診断が二転三転するなど定まらない長期経過例、などに自己抗体陽性例が多数認められると考えている 。
2: おおむね順調に進展している
視神経脊髄炎, NMDARに起因する睡眠障害と精神疾患の病態の解明を行うために、多くの症例を集積して、抗体の測定を行っている。おおむね 順調に進んでいると考える。
連携研究先の新潟大の田中惠子教授が測定に関与したNMDA脳炎疑いの症例に関しても、連携して解析を進めてゆく予定である。
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