研究課題/領域番号 |
16K10215
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松原 敏郎 山口大学, 大学教育機構, 准教授 (60526896)
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研究分担者 |
松尾 幸治 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00292912)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 光トポグラフィー / ニューロフィードバック / 情動刺激 / 健常人 |
研究実績の概要 |
健常者に対して、陰性情動文刺激課題を用いて光トポグラフィーでニューロフィードバックを行い、前頭部のうち、①ニューロフィードバック中の下前頭部および眼窩前頭での賦活、②被験者の気分のニューロフィードバック前後での有意な変化を明らかにした。光トポグラフィーを用いたニューロフィードバックの有用性を2017年の世界生物学的精神医学会で報告した。 元々の光トポグラフィー装置では、被験者の前頭部領域の血流変化を領域ごとに表示をするのは不可能であった。今回の結果をもとに、ニューロフィードバックで賦活した前頭部2領域の変化のみを、被験者に、より効果的にニューロフィードバックできないか検討した。そこで山口大学工学部の協力を得て、①パソコン画面上でMatlabソフトを用いて、②前頭部2領域の脳血流を加算平均して、棒グラフで表示する、ニューロフィードバックシステムを完成させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年間で予定どおり、光トポグラフィーを用いたニューロフィードバックシステムを完成することができたので。
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今後の研究の推進方策 |
介入を行う研究計画を綿密にたて、病院倫理委員会の承認を得る。そのうえで、うつ状態のうつ病患者のリクルートに着手する。エビデンスレベルの高い2重盲検を用いて、リクルートした患者をニューロフィードバックを行う介入群と、非介入群(偽ニューロフィードバック群:情動課題による変化のない側頭部領域をニューロフィードバックする)に分ける。患者に対しては1ヶ月間、計4回のニューロフィードバックを行い、その後、うつ状態の変化を確認し、ニューロフィードバックのうつ状態の改善効果を検証する。次に、うつ病患者を1年間、経過観察し、介入群と非介入群でうつ病の再発を確認し、ニューロフィードバックのうつ病の再発予防効果を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ニューロフィードバックシステムを作成するのに使用したMatlabやパソコンは、他の研究で使用していた既存のものを用いたため、物品費がかからなかった。次年度は患者リクルートを開始するため、人件費・謝金に次年度使用額は使用する予定である。
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