研究課題
研究の主目的の一つは、統合失調症早期発見バイオマーカーとしてのミスマッチ陰性電位(MMN)検査法を確立することである。本研究では、脳波学上も発達途上にある統合失調症の好発年齢群に対して、統合失調症の異常検出に感受性が高いDuration(持続長)-MMN とTWI(時間統合)-MMNを測定する。さらに本研究では、原発事故後に思春期を迎え、統合失調症の好発年齢に達した大学生に対してMMN検査などを行い、低濃度放射線の脳生理学的影響の有無を調査した。そのため、MMN計測と脳波分析:MMN刺激を作成し、TWI-MMNを計測、時間関数として比較分析を行ってきた。さらに東日本大震災を経験した対象について、健常者、統合失調症に対してMMN計測を行ってきた。その結果、健常者でも聴覚情報の時間関数は、MMN振幅、MMN潜時、反応時間、反応精度の観点で、そのいずれでも後半部分が大きく減衰することを示してきたが、統合失調症では、感覚記憶のTWIの後半部分での障害が顕著に認められた。そして、Duration-MMN、TWI-MMNの分析を行い、部分的な成果を論文や学会で報告している。本研究では、補助事業期間延長承認申請書を平成31年2月に提出して承認され、補助事業期間を平成28年度~平成30年度から平成28年度~平成31年度への変更を行った。------------------------------------------------------------------
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 1件)
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