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2018 年度 研究成果報告書

社会経験で発達する前頭前野の局所的興奮・抑制性回路は治療ターゲットになるか

研究課題

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研究課題/領域番号 16K10221
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 精神神経科学
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

芳野 浩樹  奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (10347560)

研究協力者 牧之段 学  奈良県立医科大学, 精神医学教室, 講師
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード社会的経験 / 前頭葉 / 興奮性 / 抑制性 / 錐体細胞 / 介在ニューロン
研究成果の概要

社会的経験の剥奪により前頭葉機能の低下を示すヒトにおける研究に基づいて、社会的隔離マウスモデルを用いて、隔離飼育によりマウス内側前頭前野の錐体細胞(興奮性)と介在神経細胞(抑制性)がどのように影響を受けるかを調べた。先行研究において、第五層の特定の錐体細胞における興奮性の低下を明らかにしていたが、今回の研究において同じタイプの錐体細胞においてのみ抑制性シナプス入力が増加することを明らかとし、その抑制性シナプス入力を行う主要な候補であるfast-spiking interneuronにおいて興奮性が上昇すること、そのinterneuronへの興奮性入力が低下することも確認した。

自由記述の分野

神経生理

研究成果の学術的意義や社会的意義

ヒトの高度な脳機能を発揮するには、神経回路が適正な興奮性と抑制性のバランスを保つ必要がある。一方で、ヒトらしい高度な脳機能を支える重要な脳領域の前頭葉の発達には、発達期の社会的経験が必要である。そこで、隔離飼育され社会的経験を剥奪されたマウスの前頭葉において、神経回路の興奮性/抑制性バランスにどのような変化が見られるかを調べた。結果、興奮性を担う錐体細胞の活動は低下しており、抑制性を担う介在神経細胞の活動が増加して興奮性/抑制性バランスが崩れていることがわかった。ヒトの発達期の乏しい社会的経験は、前頭葉神経回路の興奮性/抑制性のアンバランスによる脳の機能低下につながる可能性が考えられた。

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公開日: 2020-03-30  

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