本研究では、認知機能が正常な自覚的認知機能低下高齢者において、アミロイドPET陽性群と陰性群ではおおむね神経心理学的検査上の差はないが、論理性記憶検査の遅延再生課題の結果では陽性群で成績に低下傾向があることがわかった。また、もの忘れの自覚の程度は抑うつ気分・不安や神経心理学的検査の結果とは関係しないが、アミロイド陰性群ではもの忘れの自覚の程度が言語の流暢性の低下や意欲低下と相関することを確認した。さらにアミロイドPETの結果告知は、陽性・陰性と告知された両群で、告知直後・半年後・1年後においても評価尺度に有意な変化はみられず、不安や抑うつを増悪させないことが示された。
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