研究課題
レビー小体型認知症(DLB)の血液バイオマーカー確立の為、DLB判別モデルを構成する質量電荷比5002のペプチド(p5002)の同定を試みた。血清中のp5002を、GC及びC18カラムを用いイオントラップ型液体クロマトグラフ質量分析にて解析した。シナプス機能、ニューロンの成長・遊走、Caイオン放出に関連する蛋白質が選出されたが、何れも信頼度は30%に満たなかった。DLB判別モデルを構成するp1740の血中濃度を、内部標準(IC)ペプチドを用いマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析で定量を試みた。ICペプチドは安定同位体を標識しp1740より大きく設計した。0.42-3.38pmol/microLのp1740溶液に3.38pmol/microL のICペプチドを添加した。弱陽イオン交換でペプチドを抽出し、ICペプチドに対するイオン強度比としてp1740濃度を定量したところ、y=0.2734x+0.045の直線で示された(R2=0.993)。DLB 51例、アルツハイマー型認知症(AD)29例、健常(HC)21例、パーキンソン病(PD)12例の血清を用い、ICペプチド濃度を3.38pmol/microLとして定量を試みたところ、p1740の検出はDLB 8例、AD 1例、HC 5例、PD 1例に止まった。ICペプチドピークがp1740ピークに重なった可能性があり、より低濃度での検討を要する。DLB判別モデルを構成するp1740、p2898、p4052、p4090が海馬神経細胞の液性因子分泌に与える影響をサイトカインアレイで検討した。IL-1beta、IL-8、MCP-1、IFN-gamma、TNFalphaが1.7倍まで上昇または1/17.1まで減少し、当該ペプチドが神経細胞の機能に影響する可能性が示された。
すべて 2018
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Biochim Biophys Acta
巻: 18 ページ: 30074-30078
10.1016/j.bbapap.2018.05.007
BMS Rheumatology
巻: 2 ページ: 35
10.1186/s41927-018-0041-8