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2017 年度 実施状況報告書

精神疾患の神経ネットワーク変化に関する研究:時空間コネクティビティ解析による検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K10236
研究機関株式会社国際電気通信基礎技術研究所

研究代表者

山田 貴志  株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 主任研究員 (10721318)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードfMRI / 安静時脳機能結合 / 自閉スペクトラム症 / うつ病
研究実績の概要

本研究の目的は、従来よりも空間精度、時間精度の高い解析手法を用いて、自閉スペクトラム症、うつ病の安静時機能結合MRIデータを解析することで、疾患特異的な神経ネットワークの変化を捉えるというものである。昨年度空間精度の高い手法を用い、自閉スペクトラム症における変化を描出でき、科学誌に出版された(Yamada et al., 2016)。今年度は時間精度の高い手法を選別するため、文献検索を行った。網羅的に検索を行い、それを総説という形で科学誌International journal of neuropsychopharmacologyに投稿、受理、出版された(Yamada et al., 2017)。そして、Allenが2014に発表した時間精度の高い手法(時間窓を1分間に短縮した)を用いて、自閉スペクトラム症72名、健常者70名のデータを解析した。上記手法に習い、5種類の脳状態が遷移すると仮定した。するとある1種類の脳状態の出現頻度が、自閉スペクトラム症で有意に低く(ttest, p = 0.0097)、自閉症度の指標であるAQ(Autism Quotient)総得点と出現頻度に負の相関が認められた(r = -0.2188, p = 0.0094)。すなわち出現頻度が低いと自閉症度が高いという関係である。この関係は自閉スペクトラム症群内でも認められた(r = -0.2461, p = 0.040)。今後、この1種類の脳状態のネットワーク特徴などを調べる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今までに空間精度の高い手法で自閉スペクトラム症の神経ネットワーク変化の特徴を抽出することができた。今年度はさらに時間精度の高い手法を用いて、ある脳状態の出現頻度が自閉スペクトラム症で低いことを解析で抽出し、これが自閉症度と相関することを抽出することができた。

今後の研究の推進方策

特徴的な脳状態のネットワーク特徴を解析で抽出するとともに、他の手法でも自閉スペクトラム症やうつ病の神経ネットワーク変化を捉えることができるのか、試行錯誤していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

(理由)今年度、解析と文献検索、論文執筆と投稿、受理までのプロセスで時間を大幅に消費したため、あんせいじのうきのう安静時機能的MRIデータの取得ができなかった。

(使用計画)安静時機能的MRIデータの取得用の施設利用料、謝金、また、新たな解析ソフトなどに使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Resting-State functional connectivity-based biomarkers and functional MRI-based neurofeedback for psychiatric disorders: a challenge for developing theranostic biomarkers2017

    • 著者名/発表者名
      Yamada T, Hashimoto R, Yahata N, Ichikawa N, Yoshihara Y, Okamoto Y, Kato N, Takahashi H, Kawato M
    • 雑誌名

      International journal of neuropsychopharmacology

      巻: 20(10) ページ: 769-781

    • DOI

      10.1093/ijnp/pyx059

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2018-12-17  

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