研究課題/領域番号 |
16K10240
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大室 則幸 東北大学, 大学病院, 助教 (60632601)
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研究分担者 |
松本 和紀 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40301056)
桂 雅宏 東北大学, 大学病院, 助教 (50535151)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 精神病発症リスク状態 / ARMS / 早期精神病 / 認知機能 / 神経心理学 / 転帰予測 |
研究実績の概要 |
平成28年の10月19日から10月22日までの間にイタリアのミラノで開催された早期精神病についての国際学会であるIEPA Conference 10に出席し、精神病発症リスク状態における多様な転帰評価の必要性、精神病発症リスク状態の転帰を予測する候補となる因子、精神病発症リスク状態において認められやすい神経認知機能障害および社会的認知の障害、初回エピソード精神病における長期転帰とその予測因子などについての最新の知見を得ることができた。また、患者データベースを管理するための管理用コンピュータを購入し、患者データベース作成のためのソフトウェア等の準備を行った。さらには、患者の臨床評価に必要な評価尺度の準備を行った。認知機能の評価に関しては、当初、英国の会社が商標権を有するタブレット型パソコンで認知機能評価が可能なPSYCOGを実施する予定であったが、当初の予定通りに使用の許可がまだ得られていない状況である。このため、対象患者に対する、タブレット型PCでの認知機能評価が、まだ実施できていない状況である。このため、健常対照者のリクルートはまだ開始できておらず、また、精神病発症リスク状態と初回エピソード精神病の患者に関しては、タブレット型パソコンでの認知機能評価は実施できておらず、代替的な方法として、既存の認知機能課題である統合失調症認知機能評価尺度(BACS: Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia)やウィスコンシン・カード配列テストをかわりに用いて認知機能評価を実施しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初、ロンドンのキングスカレッジ精神医学研究所のPhilip McGuire教授との合意のもと、英国Cambridge Cognition社が商標権を有するタブレット型パソコンで認知機能評価が可能なPSYCOGを実施する予定であったが、当初の予定通りに使用の許可が得られなかった。このため、対象患者に対する、タブレット型PCでの認知機能評価が、まだ実施できていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後もさらにCambridge Cognition社との交渉を進め、タブレット型パソコン上で認知機能評価を実施するための準備を進めていく。もし、交渉が不調に終わった場合には、既存の認知機能課題である統合失調症認知機能評価尺度(BACS: Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia)を代替として認知機能評価を行い、認知機能が転帰予測に役立つかどうかについての検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
タブレット型パソコンによる認知機能評価を開始できなかったため、それにかかる予定であった費用が、平成28年度にはかからなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
タブレット型パソコンの購入、認知機能課題のライセンス料の使用などの形で平成29年度に使用する予定である。
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