研究課題
平成30年度中も、当院心臓血管外科で、計画的な手術を受ける50歳以上の患者を対象として、本研究の説明を行い、研究への参加を求め、平成28年および29年度と同様に研究を進行した。本研究期間中に、心臓血管外科手術を受けた58歳以上の患者91名のうち、13名の患者において、術後せん妄が発症した平成31年の延長期間中は、この研究期間中に得られたデーターを解析し、論文にまとめ、専門雑誌に投稿し訂正受理されたが、この論文においては、以前に論文発表したデータも合わせる形とし、総括的なデータ解析と評価および考察を行った。すなわち、本院心臓血管外科で手術を受けた58歳以上の患者、総数175名のうち、32名(18.3%)の患者において、術後せん妄が発症した。手術前のMRI 検査画像データについてSPM-8を用いて解析したところ、せん妄を発症した患者は、側頭葉などいくつかの大脳皮質や小脳の灰白質の体積が有意に減少していることがわかり、この体積の減少は、術後せん妄の予測因子の一つになりうると考えられた。また、術後せん妄の危険因子としては、患者の年齢と日々のアルコール摂取の継続が関与していることがわかった。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
International Journal of Cardiovascular Research
巻: 1 ページ: 1-12