研究課題/領域番号 |
16K10258
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
山科 満 中央大学, 文学部, 教授 (40306957)
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研究分担者 |
大塚 耕太郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00337156)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ひきこもり / 地域介入 / アウトリーチ |
研究実績の概要 |
コロナ禍のため現地での活動が全くできない1年間であった。そのため、この1年間は手元にある活動記録・データを集計し、学会発表することのみに注力した。活動の成果は、日本精神神経学会第116回学術総会(2020年9月30日、オンライン)にて発表した。その概要は以下のとおりである。 方法:アウトリーチ活動を継続している地域にある1つの自治体で、支援機関職員と共に筆者が家庭訪問を行い、1年以上関与しえた27例について、転帰を集計した。 結果:27名(うち男性23名)が対象となった。その平均年齢は40.6歳、ひきこもり期間の平均は12.6年であった。27名中5名は筆者が直接面接することができなかった。27名中12名(2名の未受診者を含む)の精神科主診断は、F2:3名、F3:6名、F7:1名、F8:2名であった。転帰は、就労支援施設を含む就労が12名(うち精神科受診ありが3名)、通院し社会的手続きを自力で行っているものが5名、外出機会増かつ家庭内適応改善が2例、変化無しが7名(うち入院継続が1名)であった。 考察:就労群は、受診を要せず最初から一般就労に向かった群と、精神科受診を経て徐々に適応改善し、保護的就労に向かった群に2分された。ひきこもり者を受け入れる農場・工房を新たに開拓したことも大きかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、1年間現地での活動を行うことができなかった。そのため、関与している当事者・家族をフォローアップすることが出来ず、支援そのものが停止し、転帰の集計にも支障を来した。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年延長し、当該地域の感染症の状況を見ながらアウトリーチ活動を再開し、より広い地域を対象として関与した事例の転帰を集計し、新たな発表に繋げる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、現地での活動が全く行えなかった。そのため研究期間そのものを1年間延長し、支援と調査活動を加えた上で、研究の完成を目指すこととした。
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