研究課題/領域番号 |
16K10258
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
山科 満 中央大学, 文学部, 教授 (40306957)
|
研究分担者 |
大塚 耕太郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00337156)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | ひきこもり / 精神科 / アウトリーチ / 過疎地域 |
研究成果の概要 |
精神科医が東北地方の某自治体の精神保健関係者と連携して、ひきこもり者本人と面談するためのアウトリーチ活動を行った。面談対象者のデータを1つの自治体に絞って分析した。 対象者は27人(うち本人面談できたのが23人)、その平均年齢は39.0歳、ひきこもり期間は平均13.0年であった。介入により27人中18人がひきこもりから脱し、9人が就労に至っていた。医療機関を受診したのは12人、その診断は気分障害圏が最多で7人であった。ひきこもり期間が10年未満の人は全員がひきこもりから脱することができた。ひきこもり期間が長引くほど改善は難しくなるが、ひきこもり期間26年の人でも面接を機に地域に定着できた。
|
自由記述の分野 |
精神神経科学 臨床心理学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ひきこもりに対する支援は心理・社会的側面が強調され、精神科医療の関与については否定的な見解も散見される。しかし今回、精神科医が地元の精神保健関係者と共にひきこもりの人の自宅を繰り返し訪問し本人面接を行うことにより、改善のきっかけが得られた場合が多々あった。その際、医療の関与抜きに改善が難しい統合失調症の人や重度のうつ病の場合は医療に繋ぐことが優先された。軽度のうつ病・躁うつ病の人や発達障害圏の人では、関与しながら待つことで、本人が動き出すタイミングに合わせて心理・社会的支援を提供することができた。支援の初期段階で精神科医がアセスメントをていねいに行うことの重要性が示されたといえる。
|