研究課題
感覚過敏を呈する病態の背景としては感覚情報の抑制機構が破綻していることや、変化に対する応答が過剰になっていることなどが考えられる。これを検討するために生理学的評価方法の開発を行った。具体的には①新しいペアードパルス抑制(聴覚、触覚)、②新しいタイプのLDAEP(loudness dependence of auditory evoked potentials)③クリック間隔の不規則性による新規聴覚変化関連反応などである。それぞれ、詳細に検討したが、これらの方法は妥当であり、今後の感覚過敏の生理評価方法として有用であると考えられた。しかし、新たな治療法の開発としては進展が困難であったため、途中から動物モデルを用いたメカニズムを対象にした研究を加えるようにプロジェクトの方向性をシフトした。まず、感覚過敏を呈する代表的病態と言える慢性疼痛である神経障害性疼痛モデルを用いてハタネズミにおける絆行動の変化が生じる可能性を検討した。更に、その変化は薬物適用により改善できるかどうかの検討も予備的な段階であるが行った。これは今後も感覚過敏がどのように社会的な行動に影響を及ぼすのかという視点から、極めて重要な研究になると思われる。更に感覚過敏への治療法ではないものの、最近統合失調症患者の治療で用いられる持効性抗精神病薬注射時の痛みをどのように軽減させるかについても検討した。これは皮膚の冷却という簡便な手法を用いたもので実臨床にすぐに応用可能でかつ有効な方法である。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件)
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