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2016 年度 実施状況報告書

てんかん患者の社会適応を阻害する認知機能障害の客観的評価ツールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K10263
研究機関国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

岡崎 光俊  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院, 部長 (50568756)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワードてんかん / 高次脳機能 / 心理検査
研究実績の概要

てんかん患者の社会参加を促進する上で認知機能障害・高次脳機能障害を適切に評価することは重要課題である。てんかん患者における主観的な無能力感、生活上の困難さや社会適応上の問題がMMSE,WAIS-Ⅲ,WMS-Rなどの標準的に行われている知能検査では十分に評価しきれていないことは臨床的にしばしば遭遇する事実であり、本研究の目的は従来の高次脳機能検査の概念を超えた心理検査・精神医学的検査を多面的に組み合わせた心理バッテリーからてんかん患者の実生活上困難となる社会認知的問題を定性的・定量的に具体性をもって測定する方法を開発することにある。
外来を受診したてんかん患者のうち同意を得られた患者42名から得られたデータをもとに①主観的なQOL②心理・精神状態③表現④理解⑤正当な評価と過大な評価に関するスケールとAQ,CAARS指標(A(注意不足/記憶の問題), B(多動性/落ち着きのなさ) , C(衝動性/情緒不安定) , D(自己概念の問題)) ,BDI-II,およびWAIS-III(FSIQ,VIQ,PIQ, 言語理解, 知覚統合, 作動記憶, 処理速度)の関係性を検証した。例えば主観的な「QOL」の問題はAQ,CAARS, BDI-IIの相関においてはAQ, CAARS指標と負の相関を示し、主観的な「心理・精神状態」の問題とAQ,CAARS, BDI-IIの相関においてはCAARS指標DやBDI-Iと負の相関を示した。このようにてんかん患者の主観的に感じるQOLや能力に関する評価は客観的な知的・高次脳機能障害に比べて気分の問題、注意・コミュニケーションの問題とより相関するように思われた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度は47名をエントリーした。1年の予定数が50名であるため概ね順調にエントリーがなされていると考えている。

今後の研究の推進方策

てんかん患者 50名/年をひきつづき研究施設の外来受診者から募集する。

次年度使用額が生じた理由

患者リクルートとエントリーにおいて中止事例が発生したため物品購入等に端数が出たため

次年度使用額の使用計画

被験者に対する謝金、心理検査キットの購入等

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公開日: 2018-01-16  

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