本研究では、冠血流予備能(CFR)を指標にした冠動脈疾患の有効な治療法を検証すべく、以下の課題を明らかにした。 1. 非侵襲的CFRの測定法の確立:15O-標識水 心臓PET/CTを用いてCFR測定のための撮影法と解析法を確立した。2. 生活習慣病是正のCFRに対する効果:冠危険因子の遵守率は血行再建術前71%とよいためCFRは治療前後で変化がなかった。3. 冠血行再建術のCFRに対する効果:72名の冠動脈疾患患者において、28例にPCI、20例にCABGが施行された。CFRが2.0未満と低値あるいはSYNTAXスコア23以上であると冠血行再建術のCFRに対する効果が高いことを明らかとなった。
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