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2018 年度 実績報告書

肝内胆管癌の遺伝子・分子生物学的機構に基づいたイメージバイオマーカーの研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K10272
研究機関金沢大学

研究代表者

小坂 一斗  金沢大学, 附属病院, 講師 (80547175)

研究分担者 原田 憲一  金沢大学, 医学系, 教授 (30283112)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード腫瘤形成型肝内胆管癌 / IDH / MRI / 画像診断
研究実績の概要

IDH1/IDH2遺伝子変異は肝内胆管癌(ICC)の25%ほどに見られると報告されており、この変異を有するICCの予後が良いことが知られている。治療前のICCにおいて、この遺伝子変異を示す画像的特徴が示されれば、予後予測・治療方針決定に大きなインパクトがあると考えられる。
今回、41例の腫瘤形成型ICCに対して遺伝子解析を行った。これらのうち14例にIDH1/IDH2変異を見いだした。14例中11例に病変のほとんどに細胆管癌様所見が病理学的に確認された。一方、IDH1/IDH2変異を認めない27例においても13例に細胆管癌様所見を認めたが、その割合はIDH1/IDH2変異を伴うものと比べて軽微であった。さらに41例の腫瘤形成型ICC41例の中でMRI検査が行われた14例について、画像解析を行った(IDH1/IDH2変異有群n=5,IDH1/IDH2変異無群n=9)。このうち、IDH1/IDH2変異例では腫瘤中心部の見かけの拡散係数(ADC値)が有意に低い値(1.3±0.3mm2/s vs 1.8±0.3mm2/s, p<0.05)を示した。病理学的にはIDH1/IDH2変異有群では成熟した間質で占められており、一方、IDH1/IDH2変異無群では線維芽細胞を伴った活動性の線維組織がよく見られた。これらのコホートにおける生存期間の検討では、IDH1/IDH2変異有群はIDH1/IDH2変異無群に比べて長い傾向にあったが、症例数が十分でなかったためか、有意差は示すことは出来なかった。
IDH1/IDH2は腫瘍間質の形成に影響を与え、それらがMRI画像(特にADC値)で検出できる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 肝内胆管病変の画像診断2018

    • 著者名/発表者名
      小坂一斗
    • 雑誌名

      画像診断

      巻: 38 ページ: 1047-1057

  • [雑誌論文] 胆道狭窄の画像診断2018

    • 著者名/発表者名
      小坂一斗
    • 雑誌名

      臨床放射線

      巻: 63 ページ: 885-895

  • [学会発表] 肝内局在から見た腫瘤形成性肝内胆管癌の画像的特徴と病理分類2018

    • 著者名/発表者名
      小坂一斗
    • 学会等名
      第54回日本肝癌研究会
  • [学会発表] Imaging features of hepatic metastases from various sources: Radiologic -pathologic correlation2018

    • 著者名/発表者名
      小坂一斗
    • 学会等名
      RSNA
  • [学会発表] Radiology Update: Acute cholangitis2018

    • 著者名/発表者名
      Kazuto Kozaka
    • 学会等名
      3rd Dissemination seminar in Myanmar
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Hepatic metastases: Imaging variation and pitfalls2018

    • 著者名/発表者名
      Kazuto Kozaka
    • 学会等名
      Myanmar Radiology Society
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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