研究課題/領域番号 |
16K10275
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石垣 聡子 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20402604)
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研究分担者 |
二橋 尚志 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (50464144) [辞退]
上原 圭介 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (50467320)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | perfusion CT |
研究実績の概要 |
局所進行直腸癌の術前化学療法における早期の局所治療効果判定法として、Dual Energy CTを用いたIodine MapやMonoenergetic Imaging、perfusion imagingの診断精度の検討を行う事を目的として、今年度は、治療開始前のperfusionCTが治療効果予測に有用であるかの検討を行った。 今年度の対象症例は18症例。術前化学療法開始前のperfusionCTから血流量、血液量、平均通過時間、permeabilityの4項目のパラメータを定量解析した。手術標本の病理組織所見から術前化学療法の応答群と非応答群の2群に分類し、perfusionCTから得られたパラメータが両者の間に差があるのか検討を行った。結果としては、治療応答群で有意差をもって血流量が多く、permeabilityが高い、また平均通過時間は治療応答群で長いという結果であった。血液量に関しては有意さはみられなかった。この結果より、腫瘍内の血流が多く、腫瘍内を緩やかに通過するほど、抗がん剤が腫瘍全体に行き渡り、それが化学療法の治療効果として現れたのではないかと考えられたが、現段階では症例数が少なく、さらなる検討が必要であると考えられる。 また、Monoenergetic Imagingに関しては、研究費で購入したアプリケーションソフトを用いて、様々なX線エネルギーのmonoenergetic imageを作成し、目的にあわせた適正な単色エネルギー画像の作成に取り組んだが、こちらに関してはまだ準備段階であり、報告できる結果はなく、今後も引き続き検討をしていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
該当症例が少なく、引き続きの症例の蓄積が必要である。画像解析に関して、既存のアプリケーションソフトウェアでの画像抽出方法に若干の案件が判明し、新たな解析方法を検討する必要性が生じたため、本研究課題の進捗がやや悪いと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
dual energyCTから得られるIodine MapやMonoenergetic Imagingに関して、術前化学療法の治療効果予測が可能であるか、検討を行っていく。腫瘍の一断面での評価だけでなく、腫瘍全体のvolumeでの評価を行う方法を検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究準備に遅れが生じており、必要である画像解析ソフト等の購入ができなかった。発表できるような成果が十分に得られておらず、海外出張を行わなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
選定し次第、画像解析ソフトおよび、そのソフトをインストールするワークステーションの購入を行う。研究助手を増員し、研究を迅速に進めるよう努力する。
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