研究課題/領域番号 |
16K10276
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 耕次郎 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60378148)
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研究分担者 |
佐竹 弘子 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (00324426)
長縄 慎二 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50242863)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 胆管癌 / CT |
研究実績の概要 |
胆管癌で多相造影CTが撮影された症例データベースより手術が施行された症例を週出し、病変部、正常胆管、膵実質、肝実質の造影前、動脈後期相、門脈相、平衡相のCT値を計測して、病変部の造影効果、正常胆管、肝実質、膵実質とのCT値の差を比較した。病変部のCT値は平均で造影前38.2HU、動脈後期相136.5HU、門脈相132.5HU、平衡相107.6HUであり、動脈後期相でもっともCT値が高くなった。病変部と正常胆管、肝臓、膵臓とのCT値の差は、それぞれ動脈後期相で96.7HU、32.4HU、-17HU、門脈相で87.2HU、8.3HU、19.8HU、平衡相で69.6HU、12.2HU、24.6HUであった。病変部と正常胆管の比較では動脈後期相でのCT値の差が最も大きく、肝臓との比較でも動脈後期相で最も大きくなった。病変部と膵臓との比較では、膵実質が動脈後期相で強く造影されることもあり、平衡相でのCT値の差が最も大きくなった。進展範囲の評価に於ける視覚的評価に関しては、門脈相で最も明瞭に見られるものが多く、次に動脈後期相と門脈相が同程度のものが多かった。一方で遠位胆管癌、肝門部領域胆管癌のいずれにも平衡相で最も明瞭となる病変も認めた。最適な評価の時相として、門脈相であれば動脈後期相の大多数の症例で有用ではあるが、平衡相が有用な症例もあることが明らかとなった。造影パターンと病理組織との比較検討では、低分化腺癌の方が管状腺癌よりも濃染される傾向が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究者の所属研究期間が研究年度中に変更となり、新たな所属研究期間での業務が多忙となったため研究遂行に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
・CTの造影効果に関しては、症例数を増やして腫瘍の組織型、形態、間質量、浸潤増殖様式などとのグループ分け、相関を検討する。 ・モノクロマティックCT画像でのエネルギーレベルを変化させ、病変の造影効果と周辺臓器とのコントラストが通常のCTよりも明瞭となるエネルギーレベルを明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遂行が遅れており、研究事業を1年間延長したため。
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