研究課題/領域番号 |
16K10279
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
立神 史稔 広島大学, 病院(医), 講師 (90411355)
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研究分担者 |
粟井 和夫 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (30294573)
檜垣 徹 広島大学, 医系科学研究科(医), 共同研究講座准教授 (80611334)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 冠動脈石灰化 / 逐次近似再構成法 / 低線量CT |
研究実績の概要 |
昨年度までの検討により、1mm程度の小さな石灰化に対しては、密度の変化や線量低減によって大きな誤差が生じることが判明し、被ばく線量低減は困難であると決定づけた。また高分解能撮影(HD)は通常撮影(NR)よりも高精度に石灰化の定量評価が行えること、画像再構成の中ではdeep learning based reconstruction(DLR)が最もノイズ低減効果があったことより、今年度は通常線量で撮影された実臨床の心臓CT画像において、高分解能撮影にDLRを併用することの有用性について検討を行った。ある程度粗大な石灰化を有し(カルシウムスコア>400)、HDモードで撮影された35症例を対象とした。画像再構成は、逐次近似応用再構成法(HIR)を使用したNRモード、HIRを使用したHDモード、DLRを使用したHDモードの3つを比較した。それぞれについて減衰プロファイルを生成し、石灰化辺縁の勾配を計測した。上行大動脈において画像ノイズを測定し、また視覚評価による石灰化の鮮鋭度を評価した。その結果、画像ノイズはNR-HIRとHD-DLRの間で有意差は認めなかったが(29 vs 31 HU)、HD-HIR(46 HU)より有意に低値を示した。石灰化辺縁の平均勾配は、NR-HIR(814)よりもHD-HIRおよびHD-DLRで有意に高値を示した(1291 vs 1219)。視覚評価は、NR-HIRと比較してHD-HIRおよびHD-DLRが高く、HD-DLRが最も石灰化の鮮鋭度が良好であった。高分解能撮影にDLRを併用することで、臨床画像においても石灰化のブルーミング低減とノイズ低減に寄与することが示された。
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