研究課題
心臓の4D-CTを用いた心筋壁運動のベクトル解析(i-ME法)についてH28年度は画質向上、ノイズ低減に関する冠動脈再構成法の基礎的検討を行った。H29年度は心臓の微細構造も含めて、定量的・定性的検証を臨床的に行った。また、心臓の全体の動きを各ピクセルの動きの総和として算出する指標の策定に取り組んだ。H30年度は心電図R-R間隔を分割し、それぞれの時相範囲内での動きベクトル量の総和(maximum amount of pixel movement: MAPM)をカラーマップとして表示することに成功した。これにより特に動きの変化量が大きい収縮期と緩やかになる拡張期の様子、動きの良好な心筋領域とそうでない領域をレインボーで表現できるようになった。MAPMはLVEFと相関、BNP値と逆相関の関係にあることが分かった。さらに心筋の拡張機能(E/e)とも逆相関する傾向が確認できた。また、心筋梗塞症例における局所心筋壁運動の低下に関して、また非虚血性心筋症(HCM患者)での心筋壁運動の特異性についても検証することができた。この検討においては三次元的な壁運動のベクトルをスライスに垂直方向に流れ込むような形で表現することに成功し、画像的に重要な壁運動ベクトル表示が可能となったものと考えられた(Kidoh M, Utsunomiya D et al. Journal of Cardiovascular Imaging誌)。情報提供については現在のPACSシステム上ではダイナミックな情報を伝えることは難しいがカンファレンスを通して行うことができる。
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Can Assoc Radiol J
巻: 72 ページ: 120-127
10.1177/0846537119900469.