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2016 年度 実施状況報告書

マルチパラメトリック拡散光イメージングを用いたがん薬物治療の超早期治療効果予測

研究課題

研究課題/領域番号 16K10293
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

上田 重人  埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20646947)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード近赤外光 / ヘモグロビン / 乳癌
研究実績の概要

1.装置の開発:新光学方式TFDRS 法を用いた乳房組織中のヘモグロビン、水、脂肪など複数のパラメーターの非侵襲的計測を行う装置と専用のプローブを開発する。現在、半径3mm と6mm の円周上に配置した16 本の受光ファイバーとその中心にハロゲンランプを置いた受発光用プローブを開発した。TFDRS 方式の拡散光スペクトロスコピーと乳房計測用にカスタマイズしたプローブを開発した。ベッドサイドで計測できるように可搬式計測器を作成した。
2.乳がんの早期検出能の検討:新光学方式TFDRS 測定法によるプロトタイプを用いて乳がん患者さんの乳房を計測し、光の特性とがん組織の相関を検討した。まず6 人の患者さんの乳房測定を実施し、安全性を確認した。担癌乳房は病変部を含む4cm×4cm の範囲をグリッド上に25 ポイント測定し、その範囲のヘモグロビン濃度をマッピングした。また正常乳房の計測は病変部の対称となるようにグリッドマッピングした。またヘモグロビン濃度について比較するため、TRS20(浜松ホトニクス製)を用いて同部位を計測し、TFDRS 方式との計測値の違いを検討した。
結果:TFDRS 方式を用いた拡散光スペクトロスコピーにより正常乳房(0)と担癌乳癌(1)の組織酸素飽和度(SO2)と組織ヘモグロビン濃度(tHb)を測定した。両群において有意差は認められなかった。一方、TRS20 では、酸素飽和度は担癌乳房で平均値73.5%(SD3.8)、正常乳房で平均値72.5%(SD3.3)、p 値0.1であった。組織ヘモグロビン濃度は担癌乳房で平均値26.1uM(SD7.9)、正常乳房で平均値16.7uM(SD8.0)、p値<0.0001 であった。TRS20 で同部位を計測した値と、TRDRS 方式で計測した値を比較したところ、酸素飽和度の相関関係は相関係数でR=0.2977, p=0.044、組織ヘモグロビン濃度でR=0.3224, p=0.0019 であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

データの測定内容に差が出たため、プローブに問題があると思われた。現在改良中である。一方、症例登録は順調に進み、データの蓄積が可能となった。

今後の研究の推進方策

マルチパラメトリックイメージング装置とプローブの改良を進める。生体機能を測定するシステムを構築する。症例集積を進め、データ解析をするとともに、乳癌患者さんの術前化学療法の治療効果モニターリングに測定装置を利用し、繰り返し測定をする臨床研究を立ち上げる。

次年度使用額が生じた理由

測定装置とプローブの不具合が見つかり、改良のために外部発注をかけ、見積もりを立てている。そのため、次年度に予算を繰り越しした。

次年度使用額の使用計画

改良した測定装置とプローブを導入して、臨床研究を再開する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Change in tumor hemoglobin concentration during neoadjuvant chemotherapy may predict pathological response in ER-negative breast cancer, but not in ER-positive breast cancer(Two Center Collaborative Study)2017

    • 著者名/発表者名
      SHIGETO UEDA
    • 学会等名
      SPIE PhotonicsWest
    • 発表場所
      The Moscone Center, CA, USA
    • 年月日
      2017-01-27 – 2017-02-01
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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