研究課題/領域番号 |
16K10297
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
安藤 孝人 愛知医科大学, 医学部, 助教 (40634134)
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研究分担者 |
中野 正吾 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20351108)
藤井 公人 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (00524331)
高阪 絢子 愛知医科大学, 医学部, 助教 (50440748)
石口 恒男 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70115525)
塩見 有佳子 (毛利有佳子) 愛知医科大学, 医学部, 助教 (90465576)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | Breast cancer / MRI / RVS / リアルタイムバーチャルソノグラフィ / non-mass enhancement / 乳房温存手術 |
研究実績の概要 |
マンモグラフィ検診の普及に伴い、早期乳癌である非浸潤癌(ductal carcinoma in situ: DCIS)の発見頻度が増加している。DCISは乳房MRIにて腫瘤を形成しないnon-mass enhancement (NME)として描出されることが多い。一般にMRIは腹臥位、超音波、外科手術は仰臥位で行われるため、手術時にNMEの広がりを正確に乳房に投射することが困難なことも少なくない。近年、超音波画像情報とMRI画像情報を磁気ナビゲーションシステムを用いて超音波探触子の位置に一致したMRIをリアルタイムに表示することができるreal-time virtual sonography (RVS)が開発された。我々は乳腺画像診断にRVSを導入し、乳房MRIを超音波と同じ仰臥位で撮像しておき、RVSを用いてMRI造影病変を超音波で観察する方法を考案した。今回、feasibility studyとして12例のNMEに対して、乳房温存手術を行い、NMEの広がり診断におけるRVSの有用性についてretrospectiveに解析した。平均年齢は61.0歳、NMEの分布はsegmental 5例、branching-ductal 4例、regional 3例で平均腫瘍径は23.4mmであった。USでの腫瘍径は9.9mmであった。12例全例(100%)にRVS下でNME areaを乳房皮膚にマーキングすることが可能であった。最終診断はinvasive ductal carcinoma 5例(42%)、DCIS7例(58%)であった。切除断端は2例で陽性(17%)となったが、いずれもDCIS成分であった。NMEの乳房温存手術の至摘切除範囲決定においてRVSは有用なモダリティとなりうる。今後さらに症例を蓄積した上で、英文雑誌に投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、研究計画書に示した研究計画に沿って、進行している。
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今後の研究の推進方策 |
1)症例を追加しNMEの体表へのマーキングにおけるRVSの有用性を検討する 2)NMEのRVSガイド下のvacuum assisted biopsyによる組織採取成功率を明らかにする。 3)乳房変形補正プログラムの作成における予備検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
プローブ購入を延期したため
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次年度使用額の使用計画 |
既存のプローブを使用することで、研究に支障は生じていない。
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