研究課題/領域番号 |
16K10299
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
中島 一毅 川崎医科大学, 医学部, 特任教授 (10351909)
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研究分担者 |
椎名 毅 京都大学, 医学研究科, 教授 (40192603)
櫻井 早也佳 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90771270) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Elastography / Strain elastography / Ultrasound / Elastography phantom / Auto Diagnosis Algorithm |
研究実績の概要 |
前研究で作成した乳房超音波strain elastography自動化プログラムでは病変が存在する乳房の構造(脂肪、乳腺組織、人体組織の比率など)により、エラーが出ることが多かったため、一部、プログラムの修正をしたプログラムバージョンアップ作業をおこなった。昨年、ハードウェア(超音波装置、探触子の材質など)の革新的変化があり、本プログラムの肝である。Bモードピクセルデータの分解能、検出感度が大幅に向上したため、プログラムの大幅な修正も必要となった。 次に、診断アルゴリズムの作成に入ったが、最終診断目標は、次の6パターンの診断補助アルゴリズムとすることを考案。 ①Bモード画像で悪性が疑われる病変に、より悪性確信度を上げさせる情報提供。②Bモード画像で悪性が疑われる病変に、良性の可能性が高いと考え直させる情報提供⇒提供情報の質により、MRI他のモダリティ検査か、生検による判定が必須となる。③Bモード画像で良悪性鑑別困難だが確かに存在する病変に、良悪性の方向性を提示⇒いずれにせよ、この場合は、MRIなどの他のモダリティ検査か、生検が必須となる。④Bモード画像で良性が疑われる病変に、悪性の可能性が高いと考え直させる情報提供⇒MRIなどの他のモダリティ検査か、生検が必須となる。⑤Bモード画像で良性が疑われるが確かに存在する病変に、良性確信度を上げさせる情報提供⇒生検不要となる。⑥Bモード画像で病変かどうか判断に迷う変化に、良悪性にかかわらず、病変と認識させる情報提示⇒4か5のパターンに移行する。 複雑なアルゴリズムにとなるため、過去の画像データにあてはめ、診断アルゴリズムを組み立てている。 昨年度のもう一つの課題であった、共同研究施設であるが、高性能なCPUを搭載する装置を保有する施設から、すでに賛同表明、参加希望があり、アルゴリズム作成後、臨床試験プロトコル作成予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初考えていた診断手法では本プログラムの臨床応用には、不十分であることが判明。臨床現場で遭遇する様々な譲許を想定し、前述した6分類による診断アルゴリズムを考案し、煮詰めているところである。各状況(同じ病変でも診断過程の状況により判断が異なってくる可能性がある)に応じて、柔軟に方針を決めていけるものを想定している。さらに、最終確定診断において、病変のどの部位を生検すればよいのかまで踏み込むことになるかもしれない。 なお、併用して進めていた臨床試験チームは段取りができており、アルゴリズム作成後、倫理申請予定である。研究途中で、アルゴリズムの微修正が必要となる可能性もあり、柔軟な臨床試験プロトコルが必要と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
前述した、6パターンの診断アルゴリズム ①Bモード画像で悪性が疑われる病変に、より悪性確信度を上げさせる情報提供。②Bモード画像で悪性が疑われる病変に、良性の可能性が高いと考え直させる情報提供⇒提供情報の質により、MRI他のモダリティ検査か、生検による判定が必須となる。③Bモード画像で良悪性鑑別困難だが確かに存在する病変に、良悪性の方向性を提示⇒いずれにせよ、この場合は、MRIなどの他のモダリティ検査か、生検が必須となる。④Bモード画像で良性が疑われる病変に、悪性の可能性が高いと考え直させる情報提供⇒MRIなどの他のモダリティ検査か、生検が必須となる、⑤Bモード画像で良性が疑われるが確かに存在する病変に、良性確信度を上げさせる情報提供⇒生検不要となる。⑥Bモード画像で病変かどうか判断に迷う変化に、良悪性にかかわらず、病変と認識させる情報提示⇒4か5のパターンに移行する。 の各代表的画像と本プログラムによる判断の仕方のマニュアルを作成中(かなり複雑で難渋している)。現時点では、まだ粗削りであるが、素案を5月日本超音波医学会総会のパネルディスカッションで病理の先生を交えて、ディスカッション予定であり、そこで得られた知見、合意をもとに仕上げる予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
臨床試験開始の前提となる前研究の論文アクセプトが遅れたこと。昨年、臨床ガイドライン、取り扱い規約とも大幅に変更され、臨床試験のアウトカムである病理診断の定義に変更が変更があったため、診断プロトコルそのものの見直しが必要となったため。さらに、診断アルゴリズムを構築しなければ、本プログラムの有効性が示されないことが判明し、アルゴリズム作成を開始したことが遅れた原因である。
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