研究課題
1: 2011年国際アルツハイマー病(AD)学会で初めてMRIなど客観的バイオマーカーが採用。2018年には、新たな研究枠組が提唱され、ADの病因、病態に即したバイオマーカーに基づき、「発症前、Aβ沈着段階、さらに神経変性が進む過程を包含し、疾患ステージを連続スペクトラム」としてとらえ背景病理に迫ろうとする新たな試みがはじまり、Aβ沈着がない、AD以外の背景病理を持つ認知症への視点がはじめて記載された。2:上述の変性認知症への視点は、臨床―画像―病理をつなぎ、背景病理を推定しうる早期診断技術開発をめざす当研究の意図そのものである。3:認知症疑い3次元解析可能なMRI17742例のうち、前方視的に追跡変性認知症87例:AD17例、DG14例、SD-NFT7例と、高齢者タウオパチーが高率に存在することが明らかとなった。4:複合病理は高率:変性認知症に限定23%、さらにアミロイドアンギオパチー合併はADで100%、レビー小体型認知症で58%。5:本邦で活用されるVSRADの関心領域評価では、DGとADの鑑別は困難。6:病理確定診断DG延14検査、AD延20検査:3次元T1強調画像を用い海馬、扁桃体、嗅内皮質、迂回回の体積計測:DGの形態的特徴は、迂回回から嗅内皮質のもっとも内側面萎縮、扁桃腹側の鉤部、側頭極の萎縮。ADおよび正常対照に比し、3群比較ノンパラメトリックSteel Dwass検定で有意差あり。7:DGの萎縮は、側頭葉内側から側頭極にかけ限局的なものが多く、ADは病期にしたがい全脳萎縮が明瞭。8:生前のアミロイドPET陰性、MRIで局所萎縮がとらえられない80代例で、病理学的にも明瞭な変性疾患が指摘できない正常対照例が蓄積された。9:上述の形態的特徴を踏まえ、VSRADの手法を用い、迂回回に独自のVOIを設定してDGとAD/NCの鑑別ソフト開発進捗。
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