研究課題/領域番号 |
16K10306
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
柴田 靖 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50400685)
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研究分担者 |
松下 明 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (80532481)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 片頭痛 / 緊張型頭痛 / MRI / Diffusion tensor imaging / functional MRI |
研究実績の概要 |
昨年まで一次性頭痛に対するDiffusion tensor imagingを撮像し、鍼治療前後での画像の変化を解析してきた。今年度は、さらに高度な画像解析であるNODDI(neurite orientation dispersion and density imaging)とresting state functional MRI(rsfMRI)による撮像を行ってきた。NODDIは通常のPCでは解析に時間がかかっており、多数例での検討は継続中である。rsfMRIでは大脳皮質に標準アトラスを参照して関心領域を設定し、解析ソフトを使用して関心領域間のfunctional connectivityを解析した。対象は前兆のない片頭痛および緊張型頭痛と診断した成人患者である。頭痛の診断は国際頭痛分類にもとずき、日本頭痛学会専門医指導医である主任研究員が行っている。倫理委員会の承諾を得て、患者本人より文書で説明し、同意書に署名を得ている。鍼治療は後頭部皮下の4カ所に鍼を刺入し、筋収縮が行い電圧で通電治療を、週1回で3ヶ月間行った。片頭痛と緊張型頭痛に対する治療は通常通り行い、研究期間中は内服は同様で継続した。臨床的には鍼治療により頭痛は多くの症例である程度改善した。 鍼治療前後で片頭痛では広範囲にfunctional connectivityの低下を認めたが、緊張型頭痛では変化は限局していた。片頭痛では大脳皮質の疼痛関連領域の感作があり、鍼治療によりこの感作を調整できた可能性が考えられる。NODDIの結果とともに、解析方法を変えての解析も今後、検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
NODDIの解析には予想以上の時間を要しており、この解析は進んでいないが、今後も継続すれば、解析できる予定である。撮像自体は順調に進んでいる。resting state functional MRIは撮像も解析も順調である。
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今後の研究の推進方策 |
現在の撮像、解析を継続していく。正常ボランティアの撮像を、今後行い、患者と比較することにより病態、診断への貢献を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会には参加したが、旅費などは他の研究費を使用したため、本研究費の使用が少なかった。謝金も今年度は使用しなかった。正常ボランティアの撮像を予定しており、今後に撮像する放射線技師への謝金を使用する予定である。
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