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2018 年度 実施状況報告書

NASHモデルマウスのMRI、光イメージングによる自然史および肝細胞癌の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K10308
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

桐生 茂  国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (20313124)

研究分担者 大田 泰徳  (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (60376431) [辞退]
赤井 宏行  東京大学, 医科学研究所, 講師 (80770437)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードNASH / MRI / 光イメージング
研究実績の概要

本研究の目的は、ストレプトゾトシン投与によるNASHモデルマウスのGd-EOB-DTPA造影MRIおよびインドシアニングリーン(ICG)を用いた蛍光光イメージングにおける自然史の解明およびその過程において発生する肝細胞癌について画像所見の推移と関連するトランスポーターを明らかにすることである。本研究の目的の一つであるNASHモデルマウスの画像的自然史の解明は達成され、平成30年度は確立したNASHモデルマウスを用いて肝細胞癌を作成、免疫組織染色にてトランスポーターの解析を行い、MRIおよび光イメージングの対比を試みた。深部の肝細胞癌病変のICGを用いた蛍光光イメージングによる評価についても検討を行った。
肝細胞へのGd-EOB-DTPA造影剤もしくはICGの取り込みに関わるOATPおよびMRP2の免疫組織染色による検討のため、有効な抗体を検討した。正常肝実質とモデルマウスに生じた肝細胞癌を用いた検討において抗体によるトランスポーターの描出が得られず、染色条件を複数回変更して検討を行ったが、抗体の取り込みがみられず、免疫組織染色の再検討が必要となった。
MRIおよび光イメージングの撮影を繰り返し行い、小病変および深部の病変の描出の改善に取り組んだ。MRIは麻酔の深度を深く設定することにより画像の改善が得られた。光イメージングは肝表面の肝細胞癌の描出は得られたが、投与するICGの量の変更などの検討を加えたがアクリル板圧迫による深部病変の描出は困難であった。以上より研究期間を延長、マウス肝細胞癌における免疫組織染色法の確立および深部病変の描出の改善を目指し、研究を続行することとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の目的の一つであるNASHモデルマウスの画像的自然史の解明は達成され、ほぼすべてのマウスにおいて肝細胞癌が10週齢までに生じること、肝実質の脂肪沈着の推移が単純脂肪肝モデルマウスと異なることが明らかになった。ICGを用いた蛍光光イメージングによる肝表面の肝細胞癌の観察は行えたが、深部病変についての評価法の確立にはいたっていない。MRIにおけるGd-EOB-DTPA造影剤および蛍光光イメージングにおけるICGの動態に関わる肝細胞膜のトランスポーターの免疫組織染色を用いた解明においては肝細胞膜のトランスポーターの描出が得られず、免疫組織染色法のさらなる検討が必要となった。

今後の研究の推進方策

ICGを用いた蛍光光イメージングによる深部の肝細胞癌病変の描出検討についてはマウス躯体圧迫ための新たなデバイスを用いて検討を行う。圧迫深度やマウス体位等の条件についても検討する。Gd-EOB-DTPA造影剤およびICGの動態に関わる肝細胞膜トランスポーターの免疫染色を用いた解明については肝細胞内への取込みについてはOATP、排泄についてはMRP2の関与が想定されるが、それぞれについて新たな複数の抗体により検討を行う。これらの実現をもって、各分化度における肝細胞癌のトランスポーター解析とMRI、光イメージングとの対比を実施する。

次年度使用額が生じた理由

NASHモデルマウスの肝細胞膜のMRIにおけるGd-EOB-DTPA造影剤および蛍光光イメージングにおけるICGの取込みに関わる肝細胞膜のトランスポーターの解析のために免疫組織染色を行った。肝細胞内への取込みについてはOATP、排泄についてはMRP2の関与が想定され、それぞれについてマウスにおける検討が可能とされている抗体を用いたが、コントロールとして用いた正常肝実質における肝細胞膜のトランスポーターを描出することが困難であり、肝細胞癌の検討までいたらなかった。
マウス肝臓深部の肝細胞癌の蛍光光イメージングによる検討においては、深部の位置の同定が困難であり、深部からの蛍光の散乱が強いことが原因の一つと考えられた。既報ではアクリル板を用いた深部リンパ節の描出が報告されており、同じ手法を用いているが、病変の大きさの違いがあり、これらをふまえた圧迫法の改善が必要であると考えられた。

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公開日: 2019-12-27  

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