研究分担者 |
五島 聡 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (90402205)
松尾 政之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40377669)
野田 佳史 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (60643020)
河合 信行 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20724561)
子安 裕美 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (70610426) [辞退]
棚橋 裕吉 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (40724563)
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研究実績の概要 |
大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術は近年確立された低侵襲的治療法であり、その有効性も確立している。一方で長期成績が判明するに従い人工血管置換術と比較し術後の瘤径拡大により追加治療が必要となる症例が存在し、稀に死亡例も報告されている。しかしその危険性を予測する因子はない。本研究は非造影MRI画像を用いて治療後の大動脈瘤の拍動動態を解析し,破裂や破裂予防を目的とした追加治療の必要性を早期に予測するためのアルゴリズムを開発することを目的とした。 平成30年度は過去2年間で得られた知見を元に、データ収集,解析を行った。解析の結果、心電図同期CINE-MRA(C-MRA)画像は、ステントグラフト内挿術(EVAR)後の空置瘤拍動を評価することが可能であり、術後のC-MRA画像から得られた収縮期および拡張期の空置瘤の体積の差(AVC:approximate volume change)と術前造影CTから算出した血栓率(全体の体積当たりの壁在血栓の量:TR; thrombus rate)との積を新たな指標;AVC valueとして算出した。この新たな指標を、対象とした20名の患者(平均年齢76歳:61-88歳)で算出し、対象患者をEVAR術後の観察期間中(中央値;47.1 か月:3-68ヶ月)に撮像された複数回のCTを用いた最大短径でのサイズ変化により増大群(5㎜以上の増大)とそれ以外の2群に分類し、Mann&Whitney analysisを用いて比較した. 結果は動脈瘤増大群においてThe AVC value は優位に低値であった(p = 0.012)。この結果からC-MRA画像を用いて算出した新たなパラメータはEVAR術後患者の予後予測に有用である可能性が示唆された。本研究内容は2019年9月に開催される2019年度 欧州IVR学会に採択され、発表予定である。
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