研究課題/領域番号 |
16K10315
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
前田 正幸 三重大学, 医学系研究科, 教授 (70219278)
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研究分担者 |
中山 良平 立命館大学, 理工学部, 准教授 (20402688)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 頸動脈 / プラーク / 体積 / MRI / ソフトウェア |
研究実績の概要 |
本研究の目的は頸部頸動脈プラークの体積を非侵襲的に評価することである。そのための研究実施計画として、本年度は1)プラーク体積自動計測ソフトウエアの改善 2)臨床例において、経時的にフォローした画像でプラーク体積を計測し、その変化を定量的に評価する この2点について研究を進め検討した。 1)プラークの体積を計測する自動計測ソフトウエアの開発については、プロトタイプのソフトウエアをさらに改善し、頸動脈狭窄臨床例でソフトウエアによるプラーク自動計測とマニュアルによる計測との比較を検討した。自動計測ソフトウエアの計測値は、マニュアルによる計測値と比較し同等の再現性、妥当性を認め、さらに自動ソフトウエアによる計測はマニュアルによる計測に比べて明らかな時間短縮のメリットが認められた。この研究成果については2017年4月の国際磁気共鳴医学会(米国)と2018年3月の世界神経放射線学会(台湾)にて報告した。 2)臨床例にこのソフトウェアを応用した検討では、同一患者を経時的にプラーク体積を計測したところ、計測値に計測者間のばらつきは見られず、ソフトウェアを使うことによるプラークの経時的な増減の客観的な評価が可能であるという結論を得た。問題点としては、患者プラークの信号強度が治療により高信号から等信号に変化する症例では、ソフトウェアによる計測が困難となったことが挙げられる。これについては計測ソフトのさらなる改善が必要と考えられた。この研究成果は2017年9月に日本磁気共鳴学会(宇都宮)にて報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自動計測ソフトウエアの開発が順調に進み、その再現性、妥当性についてマニュアル計測と同等あるいはそれ以上の再現性であることがわかった。 患者応用については今後、様々なプラーク信号の症例を中心にさらに症例を増やしていく必要がある。臨床例での検討から、ソフトウェアの改善のためのフィードバックが得られる。
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今後の研究の推進方策 |
現状ではプラークの信号がある程度高いものでないと、自動計測ソフトウエアによる計測がうまくいかないことが課題として挙げられる。この点についてはソフトウエアのさらなる改善が必要である。臨床応用での問題点を一つ一つ検証し、また、共同研究者であるソフトウェア開発者との討論、コミュニケーションを密にして、ソフトウェアのさらなる改善に努力したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由としては海外学会参加が当初の回数よりも少なかったことが挙げられる。また、高額のソフトウェアとパソコンの購入についても一部今年度にずれ込んだことが挙げられる。平成30年度の使用計画として、2つの国際学会参加・発表、およびパソコンとソフトウエアの購入に充てる予定である。
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