世界で年間700万人以上の肝がん患者が死亡する中、手術より低侵襲で、効果的な放射線治療に期待が集まっている。肝臓は呼吸運動によって移動しやすいため、MRIを併用し、肝臓の状態を見ながら放射線治療ができると、がんの局所再発や放射線による肝傷害(副作用)のリスクを低減できる。本研究では、患者さんに投与できる酸化鉄製剤を利用して、肝がんとその周囲で放射線が当たった部分が見えるMRI技術を考案した。細胞を使った実験によって、放射線が当たった部分が見える機構を明らかにし、動物実験によって、本当に生体内で肝がんとその周囲で放射線が当たった部分が見えるか、確認した。
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