研究分担者 |
久下 裕司 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (70321958) [辞退]
東川 桂 北海道大学, アイソトープ総合センター, 助教 (10756878)
志水 陽一 京都大学, 医学研究科, 助教 (90634212)
志賀 哲 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (80374495)
北川 善政 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (00224957)
大倉 一枝 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (60094827) [辞退]
秋澤 宏行 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (90311795)
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研究実績の概要 |
申請者らは、多くのがんに高く発現するチミジンホスホリラーゼ(TP)の発現量を画像化する新しい核医学診断薬として、5-[123/125I]iodo-6-[(2-iminoimidazolidinyl)methyl]uracil (IIMU)を開発し、本薬剤がTP発現量に対応して、がんに集積することを明らかにしてきた。またTPは抗がん剤のPaclitaxel, Docetaxel, Mitomycin Cの治療、放射線照射により誘導されるため、これらの抗がん剤や放射線療法との併用により5-FUやそのプロドラッグの効果が増強されることも知られている。これらのことから、TPの発現量やその酵素活性の定量的画像化により、5-FUやそのプロドラッグ、または他の抗がん剤や放射線療法との併用を用いるがん治療の効果が予測可能になると考えられる。そこで本研究では、このIIMUを用いるTP画像化によって、5-FUやそのプロドラッグによるがん治療の効果予測が可能なことを前臨床動物実験で実証することを目的として、平成28年度、平成29年度に続き、平成30年度には以下の検討行った。 抗がん剤のPaclitaxelの治療によるTP発現量増加と腫瘍への125I-IIMU集積増加をin vivo実験で実証した。ヒト大腸癌細胞(WiDr)をヌードマウスに移植した担癌マウスにおいて、Paclitaxelを腹腔内に4日間投与後、5日目に125I-IIMUを尾静脈より投与し、腫瘍への125I-IIMUの集積とTP発現量を比較検討した。その結果、腫瘍組織におけるTP発現量の増加が認められ、腫瘍への125I-IIMU集積量も増加傾向を示した。以上の結果によって、IIMUを用いたTP発現量の画像化により、5-FUやそのプロドラッグのがん治療の効果予測の可能性が示唆され、さらなる研究が期待される。
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