従来、「がん幹細胞」は細胞表面マーカーを指標としていたが、それらは数多く存在し。さらに、細胞表面マーカーは一過性に増減するものの、細胞集団内での陽性頻度が一定に保たれていることが報告されており、がん幹細胞化に果たす役割は不明な点が多かった。その点、我々が利用したLin28未分化誘導経路を遺伝子操作したがん細胞を用いることは、本質的な「がん幹細胞」を捉えられる点が学術的な特色があったと言えるだろう。 また、従来のX線治療で抵抗性を示した低酸素分画において、重粒子線と温熱による効率的なDNA損傷生成を確認し、重粒子線と温熱治療のアドバンテージを示す結果を得た。
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