研究課題
リンパ腫細胞株におけるアミノ酸トランスポーターASCT-2のmRNA発現量を、CD19抗体でnegative selectionした末梢血単核球をコントロールとして、リアルタイムPCRで確認した。約半数の細胞株で発現が亢進していた。現在、リンパ腫症例の生検による臨床検体を用いて、ASCT-2、LAT1、CD98の遺伝子発現量をリアルタイムPCRで検討している。これと並行して、リンパ腫臨床検体におけるLAT1、ASCT-2,、CD98の発現の有無を、免疫組織化学染色で検討した。検討したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(Diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)では陽性例が多く、現在、濾胞性リンパ腫などのIndolent リンパ腫、ホジキンリンパ腫との比較を行なっている。また、当院で診断したDLBCL症例のうち、Germinal center B-cell(GCB)タイプ、Non-GCBタイプが確定していない約40症例でCD10、MUM-1、BCL-6の免疫組織化学染色を行なった。今後、病理医とタイプを確定するとともに、DLBCLサブタイプとアミノ酸トランスポーターの発現PETとの関連を検討する予定である。FAMT-PET検査は、Indolent リンパ腫では十数例で実施できたが、DLBCLなどのAggressive typeのリンパ腫では、なかなか症例登録が進んでいない。
3: やや遅れている
・細胞株では、検討したアミノ酸トランスポーター陽性率が高くなかった。他の癌種では発現が亢進している報告が多かったため、確認実験を繰り返す必要があった。・免疫組織化学染色の条件設定が難しく、至適法の確立に時間がかかった。・病理専門医と病理標本の検討を行なう予定であったが、諸事情により延期となった。・FAMT-PETでは、Indolent リンパ腫では検査実施の協力が得られやすかったが、Aggressive typeリンパ腫では、治療を急がねばならない症例が多く、なかなか検査協力が得られなかった。
・免疫組織化学染色の至適条件が確立し、病理診断、治療内容、予後が判明している症例のピックアップが終了しており、免疫染色は比較的円滑に行えるものと考えている。・病理専門医と病理標本の検討を少なくとも年2回実施する。・FAMT-PETでは、Aggressive typeリンパ腫患者のリクルートを進める。外来担当医に生検の時点から症例登録してもらい、病理診断が判明した受診日に、FAMT-PET[検査の同意説明文書を外来担当医に渡す。
・リアルタイムPCR、免疫染色の進行が遅れており、消耗品の使用頻度が少なかった。しかし、免疫染色の条件は安定してきており、検討予定症例もピックアップ済みであり、検討が円滑に進むものと考えている。
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