68Ge/68Ga ジェネレーターの枯渇を予想し、平成30年6月30日までを登録期間として倫理委員会に申請していたため、平成30年度は7人に対してDOTATOC-PET/CT検査を行い、以後は検査後の結果の追跡に努めた。本研究では、神経内分泌腫瘍以外の疾患に対するエビデンス構築に向けて、DOTATOC-PET/CT検査の有用性を明らかにすることが目的であり、以下①腎細胞癌術後、②腫瘍性骨軟化症、③異所性ACTH産生腫瘍疑い、の順に結果をまとめる。 ①腎細胞癌術後25人の患者がDOTATOC-PET/CT検査を受けた。病理組織あるいは経過観察にて76病変が最終的に真の病変と確認され、うち22人、66病変が本検査で陽性描画された。患者ベースおよび病変ベースの感度はそれぞれ88%、87%と比較的良好であった。clear cell typeでは陽性描画されるのに対して、papillary typeの4病変はいずれも陰性であり、同じ腎細胞癌であっても組織型によってソマトスタチン受容体の発現が異なる可能性が示唆された。 ②腫瘍性骨軟化症の責任病巣検索として、計33人の患者にDOTATOC-PET/CT検査を施行した。最終的に20人の患者56%で責任病巣が同定可能であった。必ずしも決め手になる画像診断法ではないが、他の画像診断法で有用な局在が得られない場合、あるいは確信が持てない場合に本検査は臨床的有用と考えられた。 ③異所性ACTH産生腫瘍が疑われ、責任病巣検索として18人の患者にDOTATOC-PET/CTが施行された。5人の患者で陽性所見が出たが、1人は病理的に裏付けが得られず、4人で最終的にACTH産生腫瘍であることが判明した。陽性率は必ずしも高くないが、非侵襲的に責任病巣を同定できる可能性があり、腫瘍性骨軟化症と同様に他の画像診断法で明らかでない場合に考慮されるべき検査と考えられた。
|