研究課題/領域番号 |
16K10351
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
西山 佳宏 香川大学, 医学部, 教授 (50263900)
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研究分担者 |
山本 由佳 香川大学, 医学部, 准教授 (30335872)
豊原 潤 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (50425659)
星川 広史 香川大学, 医学部, 教授 (70294767)
羽場 礼次 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (90304584)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 頭頸部癌 / PET / 分子イメージング / C-11 4DST / F-18 FDG |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、頭頸部癌において腫瘍の分子レベルの変化をF-18 FDGだけでなく、核酸誘導体を用いた新規DNA合成のイメージング剤(C-11 4DST)を用いて画像化し、悪性度診断、増殖能評価、化学放射線治療の治療効果判定、治療効果予測に応用することである。C-11 4DSTは、動物や細胞実験レベルでは投与後すみやかにDNAに取り込まれ、標識されたC-11からのガンマ線を検出することにより生体のDNA合成を正確に評価できることが明らかにされている。核酸誘導体をイメージング剤として利用する利点は、腫瘍の増殖動態を非侵襲的に画像化できることである。 PET検査における評価方法はStandardized uptake value (SUV)が用いられることが多いが、最近では体積評価(Metabolic tumor volume: MTV)や活動性評価(Total lesion glycolysis: TLG, Total lesion proliferation: TLP)を用いた方法が普及しつつある。今年度の研究は、この新たな体積評価方法を適応し、頭頸部癌の予後との関係において新たな体積評価方法が有用か否かを調べた。 50名の頭頸部癌の患者を対象に、治療前にF-18 FDG PETとC-11 4DST PET検査を行った。定量的評価方法として、F-18 FDG PETからはSUV-FDG、MTV-FDG、TLGを求め、C-11 4DST PETからはSUV-4DST、MTV-4DST、TLPを算出した。AUC解析の結果、予後評価においてC-11 4DSTはF-18 FDGよりも良好であった。多変量解析から、MTV-FDG、MTV-4DST、TLPは予後予測因子として独立因子であった。 従って、治療前のC-11 4DST PETによる体積評価は頭頸部癌患者の予後予測因子となる可能性が示唆された。
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