研究課題/領域番号 |
16K10356
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 浩 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (20360357)
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研究分担者 |
久保 均 福島県立医科大学, ふくしま国際医療科学センター, 教授 (00325292)
富永 英之 福島県立医科大学, ふくしま国際医療科学センター, 准教授 (00393348)
村上 丈伸 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00403428)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | PET / MRI / アルツハイマー病 |
研究実績の概要 |
同時収集型PET/MRI装置を用いたアルツハイマー病の分子病態診断の高度化に向け、今年度は脳内ブドウ糖消費量測定の高精度化のための部分容積効果補正(Partial Volume Correction: PVC)について検討した。40~50才代の健常者5名を対象に[18F]FDGによるPET/MRI検査を施行した。PET/MRI検査は[18F]FDGの静脈内注射の45分後より40分間のPET撮像をリストモードで行い、PET撮像と同時にMRにより脳形態評価用のT1強調ボリューム画像、拡散テンソル画像、ニューロメラニン画像、体動補正用のダイナミック形態画像の撮像を施行した。T1強調ボリューム画像を撮像している時間(静注51分後より5分間)のPET画像データをサイノグラム上で切り出して画像再構成し、T1強調ボリューム画像と同一時間に撮像したPET画像を得た。T1強調ボリューム画像およびPET画像をSPM12のDARTELにより解剖学的に標準化し、T1強調ボリューム画像から灰白質と白質の画像を抽出してMuller-Gartnerの方法によりPVCを行った。関心領域はAutomated Anatomical Labeling (AAL)テンプレートを灰白質画像でマスクして設定した。小脳、海馬傍回では、PVCによりPET画像のStandard Uptake Value (SUV)値はほとんど変化しなかったが、その他の大脳皮質域ではPVCによりSUV値は10%~36%上昇した。関心領域内の灰白質の割合が低い領域では、PVCによりSUV値がより上昇する傾向がみられた。PET/MRI装置ではMRI画像と同一時間に撮像したPET画像が得られるため、両画像の位置合わせの必要がなく、より簡便かつ正確にPVCを施行することが可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度はほぼ計画通りに研究が進展した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度の研究成果を元に、計画通りに平成29年度の研究を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はトレーサー動態解析用ワークステーションおよびトレーサー動態解析用ソフトウェアパッケージPMODを研究実施施設に設置されている共用のものを使用できた。そのため、今年度はこれらを購入せず次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度以降は、研究実施施設において施行予定の臨床研究が増加する見込みのであり、共用のトレーサー動態解析用ワークステーションおよびトレーサー動態解析用ソフトウェアパッケージPMODは使用しにくい状況になることが想定される。そのため、来年度はこれらを購入する。
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