• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

肺腫瘍に対するラジオ波凝固療法と抗癌剤(プラチナ製剤)局所投与併用の有効性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 16K10360
研究機関大阪市立大学

研究代表者

濱本 晋一  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80711788)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード肺癌 / RFA / シスプラチン
研究実績の概要

本研究では、肺腫瘍に対して、従来から行っているRFAに加え、プラチナ製剤(シスプラチン)の局所投与を併用することで、局所制御率の向上がはかれるのではないかと仮説し、検証を行うことにした。肺癌の手術やRFA治療後には残存、再発の危険があるが、これに抗癌剤を併用することで、リスクを下げられると考えられる。また、抗癌剤を局所投与することで、局所に抗癌剤が長期間停滞し、より効率的に効果が期待できると考えられる。この仮説を検証するために、うさぎVX2肺腫瘍モデルを作成し、RFAとシスプラチン局所投与を併用し、局所制御率の向上、生存期間の延長がはかれるか、実験を行うことにした。平成28年度は、実験データを得るために、比較群となるコントロール(未治療で経過をみる)、RFA単独治療群(腫瘍にたいしRFAのみ行う)を作成し、我々が過去に行った実験と結果に大きな相違がないことを確認した。さらに、シスプラチンをウサギに静脈投与し、実験計画の変更が必要な程度の合併症がないことも確認した。その上で、2匹の肺腫瘍モデルに対し、RFAとプラチナ製剤の局所投与を行い、生存期間の観察を行った。この2匹の結果では、いずれの予後は、延長した。そのうちの一匹は、長期間の生存が得られており、現時点では、RFA+プラチナ製剤局所投与にて予後の延長がはかられる可能性が示唆された。肺腫瘍へのRFAやプラチナ製剤局所投与は、臨床的にも可能な技術であり、この実験で有効性が示されれば、臨床試験が可能になってくると思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回の実験の目的となる肺腫瘍モデルへのRFAとプラチナ製剤局所投与の有効性の証明であるが、現時点ではプレリミナリーに行った2匹で予後の延長が見られた。期待する結果に沿うものであり、順調に進展していると考える。ただし、現時点では、薬剤量は、人への投与量をベースに考えており、実験の解析の結果では、薬剤量の調節が必要になる可能性もある。また、はっきりとした合併症は見られていないが、N数を増やした結果、それらが見られた場合は、その頻度、解析が必要と考える。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、現在までの結果を踏まえ、さらに統計的解析が可能なN数まで、肺腫瘍モデルに対してRFA+プラチナ製剤局所投与を併用したウサギを作成していく。そして十分にN数がそろったら、統計学的に評価していく
また、合併症などの副評価項目についても評価していく。
発表可能な結果が得られた場合は、学会、論文等で公表していく
薬剤量の調節など、追加実験や実験計画の変更が必要な時は、随時修正し、実験を遂行する。

次年度使用額が生じた理由

実験計画では、肺腫瘍モデルに対しRFA+シスプラチン局所投与群を作成する予定であったが、コントロール、静脈注射での安全性の確認のため、予定よりN数がすくなくなったため、予定より使用額が少なくなった。

次年度使用額の使用計画

本年度は、肺腫瘍モデルにたいしRFA+シスプラチン局所投与群をさらに作成していく。
また、統計学的な解析や成果の公表に向けて準備し、適宜、公表していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Therapeutic effects of cT-guided radiofrequency ablation with concurrent Platinum-Doublet chemotherapy in a rabbit VX2 lung Tumor Model2017

    • 著者名/発表者名
      Ueki A, Okuma T, Hamamoto S, Miki Y.
    • 雑誌名

      Radiology

      巻: 283(2) ページ: 391-398

    • DOI

      10.1148/radiol.2016160414

    • 査読あり / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi