研究課題/領域番号 |
16K10360
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
濱本 晋一 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (80711788)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | RFA / 抗癌剤局所投与 |
研究実績の概要 |
肺腫瘍に対するRFAは、本邦では広く施行されるようになってきており、比較的良好な成績が多く報告されてきている。しかし、局所制御率は多くの報告で約80~90%である。また、2.5cmを超える腫瘍では局所再発のリスクがさらに高くなるという報告も多い。よって、RFAの成績をより向上させるためには、様々な併用療法が必要であると考えられている。 本研究では、ウサギ肺腫瘍モデルを作成し、RFAとシスプラチン局所投与併用療法の有用性について検討することが目的である。 平成29年度末現在までに、ウサギの肺にVX2腫瘍を移植し、肺腫瘍モデルを作成した。まず、肺腫瘍に対しRFAを行い、シスプラチンの局所投与の併用を行ったが、実験計画段階では、臨床的にシスプラチンを使用しているdeseとウサギの体重を考慮し、シスプラチンは、10mg投与することに行ったが、早期にウサギが死亡する結果となった。シスプラチンの毒性による死亡と考え、改めて至適doseを検討することにした。様々なdose(2~10mg)で局所投与を行い、治療後の生存期間を観察、検討し、シスプラチンは2mgを投与することに決定した。 シスプラチンの局所投与のdeseを決定した後、さらに肺腫瘍モデルを20匹作成した。作成した肺腫瘍モデルから無作為に抽出した10匹に対し、RFAを行い、直後にシスプラチン2mgをリピオドールに含有させ、RFA治療部位に局所投与を行った。残りの10匹については、無治療でコントロールとした。 その後、併用療法の効果をみるため、生存期間を観察している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験の計画段階では、シスプラチンのdoseについては、臨床的に使用しているdoseとウサギの体重を考慮し、10mgを投与したが、抗癌剤の毒性のため、早期にウサギが死亡することが多かった。そこで、改めて、至適doseを検討することが必要であり、当初の計画より、実験は遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
現在、生存期間を観察中である。生存期間の結果と過去の報告を検討し、RFAとシスプラチン局所投与の有用性の有無を検討する。 さらに、今後の成果の公表に対し、必要ならば、改めてウサギ肺腫瘍モデルを作成し、RFA単独治療した群、シスプラチン局所投与のみ施行した群を作成し、併用療法がより有用であることを示す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は、シスプラチンの投与doseについては、臨床的に用いている量とウサギの体重を考慮し、計画したが、治療後に早期に死亡するものが多かった。シスプラチンの毒性によるものと考えられたため、至適doseを決定するために、改めて、doseを変更して至適doseを推定した。よって、RFA+シスプラチン局所投与群の作成が当初の計画より遅くなった。次年度は、現在併用療法を行ったウサギの生存期間の観察、必要に応じ追加実験、さらに成果の公表を行う予定である。
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