研究分担者 |
加藤 天美 近畿大学, 医学部, 教授 (00233776) [辞退]
河原 明彦 久留米大学, 大学病院, 医療技術員 (00469347)
村上 卓道 神戸大学, 医学研究科, 教授 (20252653)
服部 聡 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50425154)
石井 一成 近畿大学, 医学部, 教授 (50534103)
伊藤 彰彦 近畿大学, 医学部, 教授 (80273647)
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研究実績の概要 |
この研究の目的は11C-methionine (MET) PET/CTと神経膠腫で手術を受けた患者を対象に、アミノ酸代謝や細胞増殖シグナル伝達因子(LAT1, mTOR, HIF1-α,VEGF,EGFR)とMET集積との相関性を見つけ、MET集積パラメータ(T/N ratio, SUVmax, SUVmean, TLA, MTV)と、細胞増殖シグナル伝達因子を用いて予後予測因子を前向き研究で明らかにし、脳腫瘍の腫瘍増殖とアミノ酸代謝の関係について病理学的解明も試みることである。 令和2年度も当施設の脳神経外科と密接に連携し、研究参加可能な患者の登録をすすめ、これまでにMET PET/CTを受けた40例を登録できた。患者は当施設で手術や放射線治療などの集学的治療や経過観察を行っているが、そのうち生検が可能であった26例の脳腫瘍の病理標本染色を共同研究機関である久留米大学の病院病理部で行った。また、収集したMET PET/CTデータのパラメータに関する解析も同時に遂行した。 この研究で得られたMET PET/CT画像解析結果の一部を第79回日本医学放射線学会総会教育展示にて、ポスター発表:The 11C-methioine PET/CT findings of brain tumorを行った。 免疫染色において、mTOR, HIF1-α,VEGF, EGFRの発現は主に腫瘍細胞で多く見られた。当初、LAT1は腫瘍細胞に多く発現すると予想していたが、免疫染色の結果では腫瘍細胞よりも腫瘍間質の炎症細胞で発現が多く見られた。LAT1はMETの脳腫瘍の集積機序に関係している事が知られているが、腫瘍間質の炎症細胞に多く発現が見られた点から、腫瘍間質の炎症細胞も脳腫瘍のMET集積機序に関与している可能性が示唆された。
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