研究課題
以下の基準を満たす治療抵抗性の肝転移症例を対象に多施設共同前向き臨床試験を行ってきた。1) 組織学的もしくは臨床的に肝転移。2) 多血性。3) 治療抵抗性で。4) 腫瘍個数、最大腫瘍径に制限は設けないが、少なくとも最大の腫瘍が、modified RECISTによる測定可能病変である。5) 原発巣の残存、肝外転移は許容されるが、肝転移か予後規定因子である。6) 肝機能かChild-Pugh分類のAに相当する。7) 全身状態(ECOG performance status)か0、1である。8) 18歳以上である。9) 主要臓器(骨髄、肝、腎)機能か十分保持されている。10)前治療から4週間以上経過している。11) 8週間以上の生存が期待できる。12) 患者本人から文書による同意が得られている。 主要目的は治療1カ月後の奏効割合、副次目的は、安全性、全生存期間、無増悪生存期間、癌種別奏効割合。治療は肝転移を栄養する肝動脈から選択的に球状塞栓物質を緩徐に注入し、肝動脈塞栓術を行う。予定症例数を27例とし、症例登録を行ってきたが、平成29年3月に登録症例数が目標の27例に達成し平成30年3月には12ヶ月の経過観察も終了した。現在まで急性報告を必要とする有害事象の報告はない。症例報告書や画像を各参加施設から集積し中央判定委員会も終了し、現在論文を作成中である。