研究課題/領域番号 |
16K10381
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高尾 聖心 北海道大学, 大学病院, 助教 (10614216)
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研究分担者 |
宮本 直樹 北海道大学, 大学病院, 助教 (00552879)
清水 伸一 北海道大学, 医学研究科, 教授 (50463724)
松浦 妙子 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90590266)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 陽子線治療 / コーンビームCT / 治療効果誘導放射線治療 |
研究実績の概要 |
当初の研究実施計画に従い、北大病院陽子線治療センターにおける患者CBCT画像の画質評価を行った。位置決め等の目的で撮影されたCBCT画像から、骨や腸管ガスの存在、およびそれらの動きに起因するアーチファクト、体輪郭形状の正確性、また腫瘍および各正常組織の視認性等を詳細に評価した。補助的に画質評価ファントムを用いた画質の定量評価も実施した。また、動きのある部位に対するCBCT撮影を目的とした四次元CBCT撮影・再構成手法の要素技術開発として、二軸CBCT撮影技術の開発を行った。二軸CBCT撮影・再構成試験を行い、二軸撮影時の画質評価、特に同時X線曝射に起因する散乱X線の詳細な影響評価を実施した。さらに、四次元CBCT再構成に必要不可欠な要素技術である逐次近似再構成アルゴリズムの開発を行った。動く腫瘍を模した対象を内包する数値ファントムに対して開発した逐次近似アルゴリズムを適用し、四次元再構成の実現可能性試験を行った。逐次近似アルゴリズムにより、四次元位相分割時の少数投影データからの再構成においてもストリーク状アーチファクトが低減されたCBCT再構成画像が得られることが確認された。 また、CBCT-CTレジストレーションの基礎技術開発として、既存ソフトウェアを用いた変形レジストレーションおよび線量評価を行い、既存技術における課題抽出を行った。治療期間中に撮影された頭頸部CBCT画像と治療計画CT画像の変形レジストレーションを行い、標的および重要臓器の線量分布を詳細に評価した。治療期間中の解剖学的変化が線量分布に与える影響を明らかにすると同時に、課題として、変形レジストレーションの精度が線量評価に与える影響が指摘された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究実施計画に記載の内容を過不足なく実施できているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究実施計画に従い、平成28年度の検討結果に基づき四次元CBCT再構成のための逐次近似再構成のアルゴリズム改良を行う。また、CBCT画像を用いた線量計算の更なる精度向上のためのレジストレーション技術の開発を行う。さらに、治療効果誘導放射線治療の実現のための生物学的評価指標の検討に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費および旅費が当初の想定よりも低く抑えられたため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は計算用のワークステーション等を導入する予定であり、その購入費用に充てること等で問題なく執行可能な見込みである。
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