前年度より引き続き、積層原体照射法のシミュレーションへの取り込むためのプラグラム拡張作業を行い、シミュレーション計算に成功した。試しに、ファントム上に治療計画を立て線量分布と実測を本シミュレーションの結果を比較したところ、Distal fall-off 付近で最大3%の違いが見られたものの、それ以外の領域ではよく一致していた。核破砕反応モデルとして、同じ体系に対してQMDモデルとBICモデルを用いて計算したところ、フラグメンテーションテイルの領域で最大10%程度の食い違いが見られた。計算時間はQMDモデルはBICモデルの30倍掛かった。計算では吸収線量分布、RBE重畳線量分布、LET分布などが計算される。この結果の一部を2019年6月に行われたPTCOGで報告した。 次に実際の患者のCTデータを用いてシミュレーションを行うべく、学内のIRBに申請し、受理された。患者さんのCTデータを用いたシミュレーションプログラムの開発と検証を行って現在に至っている。 またこのシミュレーションはGeant4をベースにしている。Geant4以外のモンテカルロシミュレーションツールとしてFLUKAがあげられる。Geant4とFLUKAの比較を行うための準備を行った。
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