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2021 年度 実施状況報告書

放射線治療後の心臓障害の診断システムの開発と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K10388
研究機関三重大学

研究代表者

野本 由人  三重大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (10252363)

研究分担者 佐久間 肇  三重大学, 医学系研究科, 教授 (60205797)
北川 覚也  三重大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (50378353)
中山 良平  立命館大学, 理工学部, 教授 (20402688)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2023-03-31
キーワード放射線治療 / 心臓障害 / 画像解析
研究実績の概要

食道がん、肺がん、乳がんなど、胸部のがんの放射線治療の際には心臓が照射領域に含まれるため、しばしば治療後の心臓障害が問題となる。これらの放射線治療に伴う心臓障害を正確に診断し、そのリスクを減少させることは重要な課題と考えられる。本研究の目的は、食道がん、肺がん、乳がんなどの、照射野に心臓が含まれる患者を対象に、先端的な心臓CT・MRIを用いて心筋血流量や心筋細胞外液分画、冠動脈硬化進行度などの定量的評価を行い、治療計画における線量分布の情報と比較検討し、照射線量と心臓障害の関連性を定量的に解析することにより、放射線治療に伴う心臓障害の低減を図ることである。
方法としては、照射野に心臓が含まれる患者を対象として、放射線 治療前、治療終了3か月後、治療後 12 か月、24 か月に造影CT検査を実施し、心臓障害の画像的解析を行う。心臓CTでは心筋細胞外液分画を定量評価することによる心筋線維化の評価、および冠動脈硬化の評価を行う。また治療終了12か月後には負荷心筋血流MRI、造影MRIによる細胞外液分画量計測、シネMRIによる心筋の拡張機能評価を実施する。これらの画像情報の取得後、治療計画の線量分布図と心臓CT・MRIによる心筋血流量や心筋細胞外液分画の機能情報を、3次元的位置合わせ処理を行いながらフュージョンし、局所照射線量と心筋障害や冠動脈硬化との
関連を解析する。
今年度は昨年度に引き続き研究対象者の募集を行った。これまでに治療3か月後は35例、12か月後は20例、24か月後は5例でCTデータが得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの解析により、照射部位の心筋には線維化を表すECVが上昇傾向にあるという結果が得られた。これらの研究成果について日本画像医学会で発表を行った。その後の解析で20Gy以上照射された領域に心筋障害が強くみられるというデータが得られ、北米放射線腫瘍学会で発表を行った。現在、主に照射後3か月の症例群の解析結果をもとにこれまでの研究成果について論文を作成中である。

今後の研究の推進方策

放射線治療後、亜急性期の心臓障害の画像解析について知見が得られたため、学会発表および論文投稿を行う。

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公開日: 2022-12-28  

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