本研究の対象となる患者群の登録については、最終登録患者の治療開始日が2018/1/29となり研究期間内に登録を終了することができたものの、当初の研究計画の症例登録期間を超過する結果となったため、最終の解析時期については2020年2月以降速やかに最終解析を行い、報告する予定としている。 これまでの途中経過で得られた結果については、3群ある線量群のうち最低観察期間の2年を経過したものについては、初期経験として学会等に報告してきている。 主要効果項目である、2年の有害事象発生割合については、35Gy/5分割群ではCTCTAEver4.0でGrade2以上は非常に少なく施行できており、安全な治療ということができると考えられる。37.5Gy群においては、腸管、尿路ともにおいてGrade2以上の有害事象の発生割合の増加を認めているが、Grade3以上の重篤なものはまれである。既に40Gy群の治療もすべて終了しているため、安全性について両群とも慎重に評価する必要がある。米国からの前立腺に対する定位照射のガイドラインでは35-36.25Gyを用いることが推奨されており、それ以上の線量は臨床試験を要するとされている。本試験は国内における37.5Gy以上の高線量を用いた最初の試験であり、結果の詳細な解析は他施設にとっても有用であり、今後の治療開発においても重要なデータとなると考えられる。また、高線量率組織内照射でも同様の線量分割を用いており、これらの比較も将来的な研究の対象となると考えられる。
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