研究実績の概要 |
子宮頸癌治療に対するImage guided brachytherapy (IGBT)においてCTと比し、組織の描出能においては圧倒的にMRIが優れており、CTが盛んな日本においても今後欧米と同様にMRI を導入する施設が増加する可能性が高い。当該施設では全例に対してMRIベースのIGBT を始めている。まさに日本における先駆的な施設である。本研究にける第一段階としてApparent diffusion coefficient (ADC 値)に着目し、小線源治療中のADC 値の経時的変化を計測しその意義の検討を行った。方法として26例の子宮頸癌患者におけるMRIベースのIGBT中のHigh risk clinical target volume (HRCTV)のADCの変化をヒストグラムを用いて解析、その経時的変化を比較解析した。しかしこれに関しては有意な変化は認められなかった。さらなる検索項目としてIGBT開始直前までの外部照射に対する反応 (縮小率、残存腫瘍体積)に注目、そこから再発リスクの評価を行うことに加え、当院で新たに導入されたPET-MRIにおけるimaging biomarker (ADC, SUV)も検討項目に加えた。前者は臨床像をよく反映しており、すでに2017年の北米放射線腫瘍学会で発表済みである。また、後者に関してはADCmeanのみが外部照射に対する反応と関連性があると示唆され、こちらは2018の北米放射線腫瘍学会に採択された。その後のさらなる検討にてADC, SUVのみでは不十分な可能性が示唆された。これに関してはmetabolic Tumor volume (MTV)及びtotal lesion glycolysis (TLG)に関しても検討項目に加え、さらに詳細な検討を行っている。これらの検討に関しては本年度から学会発表を行ってゆく。
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