研究課題/領域番号 |
16K10398
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
戸板 孝文 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (30237036)
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研究分担者 |
垣花 泰政 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20185713)
有賀 拓郎 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (60647337)
前本 均 琉球大学, 医学部附属病院, 医員 (70774470)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 子宮頸癌 / 根治的放射線治療 / 中央遮蔽 / 腔内照射 / 画像誘導小線源治療 |
研究実績の概要 |
1. 根治的放射線治療を実施した子宮頸癌38例を対象に、治療計画CTと治療時に撮像されたCBCTの座標系における子宮体部・頸部の平均移動量を計測し、影響を与える因子を探索した。体部の移動量が頸部より大きかった。膀胱容量差と子宮体部上縁の移動量に弱い有意相関がみられた(ρ=0.364、P <0.001)。骨盤内手術歴のある群は有意に子宮体部上縁の移動量が大きかった(P=0.007)。その他の因子は子宮移動量との有意な相関/差を認めなかった。 2. CT-based IGBTを行った子宮頸癌90例を対象にDVHパラメータと治療成績の関連を検討した。HR-CTV D90がEQD2 60Gy以下の2年局所制御率は60Gyを超える群と比較して不良であった(58% vs 87%, P=0.009)。タンデム中心からHR-CTVの辺縁までの距離は局所制御に有意な因子であった(左右30mm超: 45% vs 30mm以下: 87%, P=0.001) 。 3. 外部照射に中央遮蔽を用いない治療スケジュールを採用した前向き臨床試験に、子宮頸癌40例(予定症例数)の登録を終了し臨床経過を観察した。FIGO臨床病期は、IB1: 12例、IB2: 12例、IIA: 1例、IIB: 11例、IIIB: 3 例、IVA: 1例、腫瘍最大径の中央値は43mm(13-80mm)であった。28例で同時化学放射線療法が実施された。全骨盤照射45Gy/25回後にCT-based IGBT 20Gy/4回(A点)を実施した。2017年3月31日時点で観察期間中央値16ヶ月(10-37ヶ月)であった。3例は経過観察が中絶した(2, 3, 5ヶ月)。再発は7例に認められた。局所のみ3例、局所+骨盤LN1例、骨盤LN+傍大動脈LN1例、遠隔転移2例であった。3例が原病死した。晩期合併症は5例に認めた(全てグレード1)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. 子宮(CTV)のinterfractional motionに関与する各種因子(腫瘍因子、患者因子、治療因子)について検討し、一定の結果を得て論文発表(英文)した。 2. CT-badsed IGBTの自験例についてDVHパラメータと治療結果(特に局所制御)の関連を検討し、一定の結果得た。現在論文作成(英文)中である。 3. 前向き臨床試験の予定患者登録を終了し、経過観察を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定に従い、前向き臨床試験の経過観察を継続する。2年の経過観察終了後に治療結果の最終解析を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はデータ整理及び解析等を研究者自身が実施したため、人件費を使用しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
前向き臨床試験の最終解析を実施予定にて、研究補助員を雇用する。データ収集、整理のために、パーソナルコンピュータのモニタ、ソフト等の購入を予定する。
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