平成30年度は平成29年度に明らかにした結果を別の実験方法によって追認した。具体的には1次スフェロイドの分散細胞から形成させた2次スフェロイド内にも脳腫瘍がん幹細胞マーカーであるCD133の陽性細胞が出現することを免疫蛍光染色法のみならずFACScan法によって追認できた。さらに、2次スフェロイド内のCD133陽性細胞の放射線感受性をコロニー形成法で調べたところ、CD133陰性細胞に比べ放射線抵抗性であることが分かった。一般的にがん幹細胞は放射線抵抗性であることから、2次スフェロイド内のCD133陽性細胞はがん幹細胞様細胞であることが示唆された。これらの結果から、スフェロイド形成法によって神経膠芽腫のがん幹細胞様細胞を継代培養できることが明らかとなった。スフェロイド内のCD133陽性細胞のみを継代維持する方法の確立についてはさらに検討を要する。
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