研究課題/領域番号 |
16K10400
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
杉江 愛生 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (80509258)
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研究分担者 |
岩田 宏満 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (40611588)
荻野 浩幸 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (60315885)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 亜致死損傷の回復 / 潜在致死損傷の回復 / single cell / spheroid |
研究実績の概要 |
まず当該研究の実験を予定している陽子線治療施設での打ち合わせやメール会議を重ねつつ各種予備実験を施行して、現在はV79チャイニーズハムスター線維芽細胞を用い、各種予備実験ののち、Single cellに対し、単回照射と分割照射を施行し間隔時間を調整しながら陽子線照射およびX線照射を施行し、まずはV79 single cellにおける亜致死損傷の回復 (SLDR: sublethal damage repair)と潜在致死損傷の回復 (PLDR: potentially lethal damage repair)を評価・比較検討している途中である。今年度中にsingle cellにおける評価を終了し、必要な予備実験を経て、低酸素細胞を含有しより生体内の環境に近いと考えられるspheroid plateを用いて作成したV79 Spheroid cellに対し、単回照射と分割照射を施行し間隔時間を調整しながら陽子線照射およびX線照射を施行し、V79 spheroid cellにおける亜致死損傷の回復 (SLDR)と潜在致死損傷の回復 (PLDR)などを評価・比較検討していく予定である。 また、生細胞タイムラプスイメージングシステムIncucyteを用いた陽子線照射後とX線照射後のspheroidの経時的変化の観察と比較検討、single cellとspheroid cellにおけるγH2AX抗体染色・トリパンブルーアッセイなどを用いたアポトーシス・細胞死などについての陽子線照射とX線照射における観察と比較検討、Fucci・Cell-Clock Cell Cycle Assay Kit などによる細胞周期のモニタリングも随時施行していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該研究の実験を予定している陽子線治療施設では、陽子線治療装置は臨床使用だけでなく他の基礎的検討も多くなされており、限られた照射時間のなかでは実験の進行に限界がある。当該研究も順番を待って実験を施行していく予定になっているが、混雑のため予定より進行は遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度中にV79 single cellとSpheroid cellにおける亜致死損傷の回復 (SLDR)と潜在致死損傷の回復 (PLDR)の評価を完了するのが目標である。 またIncucyteを用いた陽子線照射後とX線照射後のspheroidの経時的変化の観察と比較検討、γH2AX抗体染色・トリパンブルーアッセイなどを用いたアポトーシス・細胞死などの比較、Fucci・Cell-Clock Cell Cycle Assay Kit などによる細胞周期のモニタリングも可能な範囲で取り掛かっていく。 上記については、陽子線治療装置の限られた照射時間と使用機会を最大限に利用して進行をはかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
陽子線治療装置の混雑のため、予定より当該研究の進行がやや遅れており、実験器具や試薬の購入時期が予定より遅れている。
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次年度使用額の使用計画 |
spheroidの作成・培養とγH2AX抗体染色・Fucci・Cell-Clock Cell Cycle Assay Kit等に必要な試薬・実験器具の購入を予定している。
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