研究課題/領域番号 |
16K10401
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
石倉 聡 順天堂大学, 医学部, 客員准教授 (40407242)
|
研究分担者 |
木村 智樹 広島大学, 病院(医), 講師 (90379876)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 定位放射線治療 / 肝細胞癌 |
研究実績の概要 |
定位放射線治療を含む先進的放射線治療の確立には臨床試験による科学的な評価が必須である。初発孤立性肝細胞癌の定位放射線治療は手術、RFAに比肩しうる高い有効性が強く示唆されるが臨床試験による評価がなく標準治療にはなっていない。本研究は定位放射線治療が標準治療となりうるか多施設共同臨床試験により初めて検証することを目的とする。本試験では放射線治療の品質保証により質を担保し、肝細胞癌に対する定位放射線治療技術の向上および標準化を図り、今後の臨床研究基盤の確立も図る。本研究により定位放射線治療の有効性が検証されれば、侵襲の高い治療が困難である多数の高齢がん患者に多大な恩恵となる。 本研究では、参加施設のIRB承認およびUMIN臨床試験登録を経て症例登録を開始した「初発孤立性肝細胞癌に対する定位放射線治療の多施設共同臨床試験」を実施する。Primary endpointを3年全生存割合、予定登録数60例を登録期間3年、観察期間3年、総研究期間6年とし、年2回の参加施設を集めた会議、登録症例のモニタリング、効果の中央判定、放射線治療品質保証等を実施する。平成30年度には症例登録を完了するとともに、治療経過および追跡情報を収集する。 平成28年度は症例登録および治療後の経過観察を継続した。これまでに24例が登録されている。また、年2回の参加施設を集めた会議を開催し、登録症例のモニタリング、増悪と局所制御に関する中央判定、放射線治療品質保証として登録症例の治療計画の確認、等を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在まで、予定登録数60例のうち24例が登録されているが、H28年度のみでは9例であり、登録ペースが予想を下回っている。参加施設を1施設追加したが、参加8施設中登録があったのは3施設にとどまり、施設内で十分に認知されていない施設も少なくない。 今後引き続き施設内で一層の周知および学会発表により認知度の向上に努めるとともに、参加施設の追加も考慮することにより登録ペースの向上、登録完遂を図る。
|
今後の研究の推進方策 |
平成29-30年度の計画: 症例登録および治療後の経過観察を継続する。今後引き続き施設内で一層の周知および学会発表により認知度の向上に努めるとともに、参加施設の追加も考慮することにより登録ペースの向上、平成30年度の登録完遂を図る。年2回の参加施設を集めた会議を開催し、登録症例のモニタリング、増悪と局所制御に関する中央判定、放射線治療品質保証として登録症例の治療計画の確認、等を行う。また、欧米の臨床試験グループ会議ないし国際学会に参加し、肝癌に対する定位放射線治療および放射線治療の品質保証に関する最新の情報収集を行う。
|